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小1の壁

保育園の頃、怯えていた言葉『小1の壁』。

本当に、本当に高い壁。
私たち母親は壁の外にいるイメージ。
そして目の前に高い壁があって、中に学校と子供たちがいる。

毎日、小さなことでも教えてくれていた保育園。
気になることを伝えると、気にしてくれて見てくれて、帰りに教えてくれていた保育士さん。

小学校にはそんな先生はいない。

入学した途端、小学校で何が起きているのか全く分からないのです。


子供に聞いてもよくわからない。
小学校より保育園のが楽しかったと言う。
友達がいないと言う。
学童は楽しい。
でも、学校へ行きたくないと言う。


子供から聞いた話だけを鵜呑みにすると、この子は学校で友達が1人もいなくて、いつも一人ぼっちでポツンと過ごしているのかな、かわいそうに、なんて思ってた。

でもね、全然違うものでした。

授業参観が割と早い時期にある。
少しだけ余裕を持って到着。
休み時間の様子も見ようと思って。

下駄箱に子供らがワクワクした顔でお母さんが来るのを待っていました。
1年生のはじめての参観日は、早めに着いてあげた方がいいです。

その集団の子供達の中に、息子もいたのです。

ニコニコしながら、キャッキャってしながら、5人くらいで友達と私が来るのを下駄箱で楽しそうに待っていました。


友達いるじゃん。


ほっとしました。


落ち着いてる時に話を聞いてみたら、話す人たちはいるけど、僕が友達だと思ってる人はいない、とのことでした。

え?きっとあの子たちは息子のこと友達だと思ってくれてると思うよ。


そういう子。
うちの子はそういう子。


学校での様子が時々話してくれる報告くらいで、何も分からなくなった。
聞きたいことを問いかけても、基本的に返事は、分からない。忘れた。


その他に壁だと思ったのは時間のこと。

こっちの方が一般的にいう小1の壁だと思う。


働きながら、小学生の子供の世話をしようと思うと時間的に物理的に無理と思うことが断然多いです。

保育園は『働くお母さん』に合わせて設定してくれていたことが、『子供』に設定されているのです。

保育園は朝は何時から開いてるので何時から何時までに来てください、それより遅れるなら連絡をください。

それが、何時にここに来て下さい。集団登校です。

私、息子が家を出る前に出勤しないと間に合わないんですけど…

休みの時は集団登校の班長さんに連絡帳を預けて下さい。

もう熱はないから欠席はしたいけど、会社には行きたい、連絡帳…その時間に届けないとダメ?

この欠席の連絡が本当に非効率!
急な発熱で朝早くに人の家のインターホン押すのも迷惑だし、前日から分かっていてもフルタイムで帰宅後の夜遅くにインターホンも迷惑だし。


PTA活動は平日昼間だし
習い事の送迎もできないし

フルタイムだと物理的に無理!ということが本当に多かった。

子供がしっかりしていて
時間になれば鍵を閉めて習い事に1人で行けるとか奇跡です。

もしそれが大丈夫な子でも(うちは無理な子ですが)、高学年になり、普段強がっていてもいってらっしゃいを言えれば嬉しそうだし、おかえりを言ってあげられる日は嬉しそうです。

熱が出て休むとなった時、
ママは仕事行くんでしょ?と聞いてきます。

そう言ってきた日は、旦那がいても休むことにしています。
そこは今まで、フルタイムで寂しい思いをさせてきたから。
もう大丈夫な高学年でも、病気の時はわがまま聞いてもらえると息子も思っているし、何より嬉しそうだから。


小1の壁は、1年生だから壁があって、2年生からなくなるわけではない。
壁はずっとある。
小1になった時にできた壁。

高学年になると、壁への近寄り方が分かってくる。
壁に階段を掛ける人もいる。
壁の前に踏み台を持ってくる人もいる。
壁に穴を開けてしまう人もいる。
人それぞれ。


結局、私は壁の外から内側を爪先立ちで覗いている感じ。
中に入ろうとは思わない。

ママ友カーストの上の方の権力者はその壁に腰掛けて中を見下ろしてる感じなのかもなと思う。

私は壁の外でいい。
息子が自分の世界を作っているのならば。

ここまで子が育てば、私は覗いてるくらいが丁度いい。
背が足りなくて、少し見にくいくらいが丁度いい距離感なんだと思う。

小1の壁は、小1だけの試練ではなくて、小1になる時できた壁。