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薬剤師が調剤しながら考えていること

株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。
今回は、新しくスタートする連載コラムをご紹介します。

内科医の先生の目線で「MRが医師と円滑にコミュニケーションする方法」をお話しいただいたコラムのシリーズに続き、ベテランの病院薬剤師Tさんに登場いただき、薬剤師業務や治療について日々考えていることを語っていただきます。


病院薬剤師Tさんの略歴

病院薬剤師として25年以上の勤務経験を持つ。
日本静脈経腸栄養学会の代議員、日本病院薬剤師会の理事を歴任。
病院薬剤師の業務改善に病院内外のさまざまな立場で取り組んでいる。
「MRは医療従事者」という考えを持っており、MRが病院薬剤師と共に現場に医薬品の適切な情報提供を出来る世界観を理想としている。

製薬企業のMRへの想い

薬剤師のTと申します。よろしくお願いします。
製薬企業の皆様にとって、医師や薬剤師のイメージはいかがでしょうか?

彼らは良い先生もいれば、気難しい先生も結構多いと思います。
ただ気難しい方もあることをきっかけに急に打ち解けたりしますよね。
これは先生方がMRさんを信頼できる!と判断した瞬間ですね。

信頼関係が構築できた状態でお付き合い出来れば新発売の医薬品採用の時もスムーズにいくかもしれませんよね。では、信頼を得るためにはどのような行動が必要でしょうか?

訪問頻度、営業トーク、それらも大事だと思いますが、私が一番重要だと思うのは「適切な情報提供」です。

クスリは、患者さんの命をつなぎ生活の質をより良いものにすることが出来る一方で、使い方を間違うと毒にもなります。
皆様の販売されている医薬品はモノと情報がセットになってはじめてクスリになるんですよね。

ではその情報とはどんなものでしょうか?
それは、実際にクスリを投与されている患者さんの情報です。
私は「MRは医療従事者」と考えています。
MRさんには、現場の医師や薬剤師から実際にクスリを使用している患者さんの状況を訪問の際に収集し、その情報を必要とする医師や薬剤師に届けてほしいのです。

私はそこを意識しているMRさんを信頼しています。
他の医師や薬剤師の方にも、同じような考えを持っている方は多いのではないでしょうか。

調剤の際に薬剤師が考えていること

薬剤師が処方を受け取ると、大まかに
処方監査 → 調剤 → 最終監査 → 投薬の順に仕事が進んでいきます。

まず、処方監査時には年齢・性別・処方内容を確認していきます。
アレルギー歴や副作用歴も確認します。その後、処方された薬をみて患者さんの病状などをイメージしていきます。

例えば高血圧の薬を飲んでいる患者さんに利尿薬が処方されていれば、ナトリウムを排泄して血圧を下げる作用を補っているのかな?といったように色々と患者さんの病状を想像していきます。

その中で、違和感のある組み合わせや、薬の量が多すぎたり少なすぎたりしていそうなものがあればその部分を中心にカルテチェックを行います。この時に確認するのは処方歴や検査データ、医師などのカルテ記載です。

この時処方薬を何も確認せずに検査データを確認しても焦点が絞れず患者さんの検査データから薬が原因の異常を発見するのは難しいと思います。

通常、患者さんから情報を聞き取る場合は、可能であれば処方受け取り時(保険薬局さんなら可能ですね)などに必要に応じて患者さんから直接情報を確認し、問題点を明らかにしていきます。

処方薬の用法・用量・副作用など何かしらの疑問点がある場合には医師に疑義紹介し、必要に応じ処方を適正なものにしていくこともあります。

これらを適正にすることで副作用が発現することをあらかじめ防いだり、薬の効果が最大限発揮できるようしたりするお手伝いをしています。

次回のコラムでは、薬剤師のDI業務についてお話ししたいと思います。
ありがとうございました。


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