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父と娘の日々

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認知症が進行していく、憎たらしく愛おしい父との、尊い日々の記録。
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2021年7月の記事一覧

覚悟するともらえるご褒美。

覚悟するともらえるご褒美。

今日もまた天気予報を見てみたら
晴れ続きだったはずが
突然3日後から雨マークが出現。
気温も下がる。

そういうこともある。

今日は幻視モード100%だったはずの父。

ちんぷんかんぷんなことは言うものの
落ち着いているし
話もできる。
全然徘徊する様子もない。

80%と言ったところでおさまった。

今日は一緒にウロウロする覚悟だったのに。

とても平和で穏やかな1日になった。

ケンチャンと

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予期せぬ好転。

予期せぬ好転。

今日から寝込む予定だった父。

朝から元気なのはいつも通り。

でもいつもなら朝ごはんを食べたら
こっくりこっくりし始めて
そのまま昼寝のまま夜寝に突入する。

サイクルを崩してきたぞ。

今日は眠い目をこすりつつ
不安を抱きつつも
床屋に行ってサッパリ。

髪をサッパリさせたら
気分が良くなったようで
鼻歌を歌い出すわ
帰り道は森林浴しようと言って
ケンチャンに遠回りさせるわ。

相変わらず言っ

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母、海と山に還る。

母、海と山に還る。

昨日ごきげんだった父に、勢いで
「お盆までに母のお骨を
長野のお墓に入れてあげよう!」
と提案してみたら乗ってきた。

弟にも確認したら
よろしく。とのことなので
そうか、これも私がやるのか
と思ったけど
長野に行ける!とわくわくしてきた。

早速お寺さんに連絡。

母の戒名をつけていただいたお寺さんで
とても穏やかでやさしい住職さん。

まずは墓石屋さんを紹介してくれたので
明日には墓石の打ち合

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山での収穫パート2。

山での収穫パート2。

先日山に帰った時に
受け取ったキーワードは
父の幻視を一緒に楽しむ
ということで。

昔読んだ、北海道にある「べてるの家」の本。
主に統合失調症などの精神障害を持つ人達が
共同生活してる家で。

山の家の仲良しご近所さん夫婦のお友達が
その家で働いていたとのことで
べてるの家での幻視との向き合い方について
聞かせてくれた。

一番すごい幻視を体験した人のコンテストをして
表彰したりするらしい。

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星に願いを。

星に願いを。

先日サイクルにズレが生じたせいで
今日は起きてる予定だった父は寝込んでて
私が父の後見人になるべく
公正証書の署名ができなかった。

でも、そんなこともあろうかと
前もって伝えておいたので
代筆仕様の証書も用意してもらって
問題なく完了。

公証人さんに
東京のおばちゃんのことも
たくさん質問させてもらって
ひとつひとつ確認していくと
そんなにややこしくないこともわかってきて
ひとまず安心。

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潜在意識なのか、病気なのか。

潜在意識なのか、病気なのか。

テレビのない生活を
20年近くしていたので
今、暇を持て余して
テレビをたくさん見てると
息が苦しくなるようなニュースが
連日報道されていて
酸欠状態になる。

いちいち反応してしまうので
多くの情報は受け取らない方がいい。

山に暮らすのが心地良いのも
そういうところが大きいのだ。

そんな私に反して
今日も父の妄想は
家を出て行かなきゃならない
の一点張り。

せっかく妄想の中で生きるなら

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星に願いが届く。

星に願いが届く。

今日は七夕。

長野から
父のお姉さん家族が
全員揃って来てくれた。

全員揃ってるのを
最後に見た記憶がないほどに
すごく久しぶりに会ったけど
うれしくなってしまうくらいに
笑いの絶えない陽気な家族だった。

サイクルが1日ずれ込んだ父は
みんなが到着した時には
部屋で遅めの朝ごはんを食べていて
ちゃんと起きて話せる時に
おばちゃんが来てくれたのが
さすが姉弟
タイミングばっちり。

そうは言っ

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べちゃる。

べちゃる。

雨の被害が大き過ぎて
言葉を失う。

家が水没してしまった
お友達もいる。

こんなに暑いさなかに
泥を家から掻き出すとか
ぐちゃぐちゃの部屋を片付けるとか
もう住む家がないとか
どんなに大変なことだろう。

私はこんなに暇なのに
ここにいなければならないけど
もし出れるとしても
この暑さの中、お手伝いに
駆けつける強さがあるだろうか。

思考が停止する。

父もケンチャンも
暑くて辛そうだ。

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常夏の国へ。

常夏の国へ。

マイナンバーをメモっておいて
と、父。

またパジャマから洋服に着替えてる。

お昼ごはんの時間になっても
居間に降りてこない。

呼びに行ったら
もう出かけなきゃ、と。

どこに行くの?と聞いたら
「海外」と言って
自分でプッと吹き出していた。

ちゃんとパスポートも持っていた。

玄関まで行ったら
外が暑過ぎて
「もう迎えの人が行っちゃった」
ということにして部屋に戻ってきた。

マレーシアに

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おいしいみかんと共に育つ。

おいしいみかんと共に育つ。

ケンチャンはコーヒー屋さんだと
思ってる方が多いと思うけど
ケンチャンの本業は画家さんだ。

京都にいた時は
絵を描く時間が作れず
ずっと休業していたけど
北海道にいた頃は
それなりに活動していた。

鎌倉に戻ってきてから
弟がパンを焼く箱根のホテルに
声をかけていただき
久しぶりに絵を展示してもらうことに。

ケンチャンの画家活動が再開する。
さてどうなるか。

おじいちゃんもお母さんも画家の

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可愛さ余って。

可愛さ余って。

認知症のおじいちゃんは
本当に子供みたいに
こちらの都合なんておかまいなしで
自分の要望を押しつけてくる。

いや、子供の方がマシかもしれない。

どんなに説明したって通用しない。
ぐんぐんぐいぐい
へりくつで返してくる。

でも、わがままを言ってすねる姿は
子供のようにかわいく見える。

昨日も幻視100%の父が
何を言ってるのか全然わからないので
父も何度も聞き返されるのは嫌だろうと
聞き取れ

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喜びのかたちは多様。

喜びのかたちは多様。

長野のおばちゃんが母のために
お盆のちょうちんを送ってくれた。

迎え盆だとかで
今日からお盆が始まるそう。

ちょうちんの灯りを頼りに
母が帰ってきてくれるかな。

先日珍しく
母が夢に出てきた。

母はにっこり笑って
私がやってることは完璧だよ
と言ってくれた。

全然完璧じゃないと思うけど
いつも自信のない私は
きっと誰かにそう言ってほしくて
母を夢に登場させたのかな
と思う。

認知症にな

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海系、山系。

海系、山系。

暑くて写真熱も冷めそうなところで
やっとカメラとパソコンがつながった。

これでまた
写真を撮る意欲が湧いてくるかな。

暑くて暑くて
ここは湘南で
海に行けばたくさんの人と
入道雲。

村のお友達が
湘南は日本で有数の良いところ
と言ってくれていたので
そういう目線で見ながら
134号線を走ること数回。

空の色と同じ色の海が
ずーーっと広がっている。

海水浴の人とか
サーフィンの人がいっぱい

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母からのメッセージが届く。

母からのメッセージが届く。

母の荷物を整理していたら
また母の日記が出てきた。

6、7年前の日記には
その頃にあった
家のごたごたについて書いてあり
母はとても辛そうで
その頃よく、北海道にいた私にも
電話をしてきていたのを思い出していた。

そのまま読み続けていたら
時々私のことが書いてあるのだけど
そりゃあ良いことばかりではないさ。

その頃の私は母のことどころではなく
パン焼きに奮闘していたから
辛そうに電話してきて

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