絵とワードの物語 『またね』
いつもより少しだけ重い鞄を手に、硬い座面から立ち上がる。明日からは夏休み。明日から毎日何しようなんて浮かれる気持ちと相反する、ざわざわする心のなか。それにつられて横を向いたら、なぜだかしっかりと目があった。
ぱちぱちと瞬きをして、それからちっちゃく溜め息をつくまでが同じタイミング。ちょっとだけ、以心伝心かもなんて、嬉しくなったりなんかして。
「宿題ちゃんとやんなよ」
「うつさせてくれる?」
「ダメ」
「ちぇっ」
じゃあねと手を振って、わたしは前から、キミは後ろから。同時