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乾ききった地面につま先を叩きつける。 等間隔に刻むその音がへたくそなビートみたい。 笑いな…
深海、深淵、うみのそこ。 そこにひろがるまちのはずれ、岩陰にひっそりと開かれたバーに…
うちわが起こすそよ風が、彼女の肌を撫でていく。 耐えきれない暑さに負けて空中を撫でた…
年に一回会える日は、毎年ちょっと早起きで。 星の川辺に腰掛けて、その足音を探してる。 もう…
年に一回会える日は、あんまり晴れたことがない。 たのしみで、楽しみすぎて、ついつい毎年フ…
ブランコを、漕いでいる 戯れる子供達に向けて、ゆらゆらと うらやましそうに、手を伸ば…
ばらばらばらとビニールを叩く音。 くるくるまわる黄色のレインコートの端に合わせ口ずさみながら踊る姿をぼんやり眺めている自分がいることに、彼女は気付いているのだろうか。 ふわり、彼女が宙に浮く。 傘を掲げて、映画のワンシーンさながらに。 楽しそうに雨と唄う彼女を邪魔したくないから、そうっと息を潜めるけれど、力なく垂れていた口の端が自然と持ち上がり、笑みの形になることだけは止められない。 身体の中に溜まったいやな感情が、さあさあと流れ落ちて行くようだ。 ああ、ぼく
ボートの縁から覗き込んだその先に、彼の知らない世界が沈んでいる。 きらきらとひかる宝…
「お父さん、はい!」 「お、ありがと」 渡されたグラスはありがたいことにキンキンに冷えて…
お行儀良く風に揺れる洗濯物に、満ちたりた吐息を落とす。 週末の雨が洗い流した空気はと…
「おとうさん! みてみて! すごい!」 背伸びしようと力の入る小さなてのひらが、頭に食…
いやだってそうでしょ。この日のために頑張ったのよ。 仕事もそうそうに切り上げちゃってさあ…
私はひとり、靴先で地面を弾きながら歩いている。 気持ちはすっかり土砂降りなのに、本当に雨…
どこまでも伸び往くその色彩は、長く、永く、ながいけれど、その先に必ず果てはある。 そう信じてまた一歩、薄氷のような道へと踏み出す。 夢を幻で終えられるほど、この脚はまだ朽ちていない。 絵 はしもとあやね ( @enayacomic ) 文 ねきの( @nekino_e ) フォローよろしくお願いいたします♪ et word公式HPはこちら Twitter : @_etword Instagram : @_etword