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夏の物語

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夏にまつわる物語をまとめました
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記事一覧

『 ぼくのこいびと 』 - 手のひらサイズの物語

 あなたはいつも、優しい笑顔を向けてくれる。  視界いっぱいに広がるその表情が慈愛に満ち…

絵とワードの物語 『ココニイル』

乾ききった地面につま先を叩きつける。 等間隔に刻むその音がへたくそなビートみたい。 笑いな…

絵とワードの物語 『深海バーテンダー』

 深海、深淵、うみのそこ。  そこにひろがるまちのはずれ、岩陰にひっそりと開かれたバーに…

絵とワードの物語 『暑気に浮かれて』

 うちわが起こすそよ風が、彼女の肌を撫でていく。  耐えきれない暑さに負けて空中を撫でた…

絵とワードの物語 『そうして君に会えたなら』

年に一回会える日は、毎年ちょっと早起きで。 星の川辺に腰掛けて、その足音を探してる。 もう…

絵とワードの物語 『カーテンの向こうに』

年に一回会える日は、あんまり晴れたことがない。 たのしみで、楽しみすぎて、ついつい毎年フ…

絵とワードの物語 『いっしょがいいな』

 ブランコを、漕いでいる  戯れる子供達に向けて、ゆらゆらと  うらやましそうに、手を伸ばす  濃い藍色の帳がじりじりと  その公園に、降りはじめ  きいきいと鳴る鎖には錆が浮き  ブランコが、ゆるゆると 「ねえママ、あのブランコ、誰も乗っていないのに揺れてるよ」 絵 はしもとあやね ( @enayacomic ) 文 ねきの( @nekino_e )

絵とワードの物語 『雨に唄う』

 ばらばらばらとビニールを叩く音。  くるくるまわる黄色のレインコートの端に合わせ口ずさ…

絵とワードの物語 『水底の夢』

 ボートの縁から覗き込んだその先に、彼の知らない世界が沈んでいる。  きらきらとひかる宝…

絵とワードの物語 『似たもの親子』

「お父さん、はい!」 「お、ありがと」  渡されたグラスはありがたいことにキンキンに冷えて…

絵とワードの物語 『青空にはためいて』

 お行儀良く風に揺れる洗濯物に、満ちたりた吐息を落とす。  週末の雨が洗い流した空気はと…

絵とワードの物語 『ガラス玉にうつるもの』

「おとうさん! みてみて! すごい!」  背伸びしようと力の入る小さなてのひらが、頭に食…

絵とワードの物語 『ハッピーアワー』 

いやだってそうでしょ。この日のために頑張ったのよ。 仕事もそうそうに切り上げちゃってさあ…

絵とワードの物語 『青、蒼、碧』 

私はひとり、靴先で地面を弾きながら歩いている。 気持ちはすっかり土砂降りなのに、本当に雨が降っていたのは三時間前のこと。 早く家に帰ろう。 ふくらはぎに散った泥はねが乾いてしまう前に。 水溜まりを踏みつけそうになり、一瞬足が緩む。 反射した光が網膜をちりりと焼いた。 私は瞬きをして、その熱につられ顎を持ち上げる。 あおが、視界いっぱいに飛び込んできた。 埋め尽くされた青、蒼、碧、あお。 雨ですっかり埃の洗い流された空気は、遮るものなくその色を私の瞳に流し込んでくる。 ゆる