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青春

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懐かしい思い出や青春時代にまつわる物語をまとめています
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#小説

絵とワードの物語 『Don't Stop Me!』 

 油を差してくるのを忘れたチェーンが悲鳴を上げる。軋むその音に構うことなく全体重をかけて…

絵とワードの物語 『顔一杯の水族館』 

 海が、ちょっぴり怖かった。  深いところは溺れそうだなとか、怪我したらどうしようとか、…

絵とワードの物語 『ココニイル』

乾ききった地面につま先を叩きつける。 等間隔に刻むその音がへたくそなビートみたい。 笑いな…

絵とワードの物語 『とじこめられたのは』 

 ガラスのなかでぷくぷくと泡が弾ける。  瓶底に生まれ、じりじりと膨らみ、ふわりと浮いて…

絵とワードの物語 『またね』 

 いつもより少しだけ重い鞄を手に、硬い座面から立ち上がる。明日からは夏休み。明日から毎日…

絵とワードの物語 『きっかけはきらめいて』 

「ボトルメールだね」  首をかしげた私に向けて、手に持った本をポンポンと叩く。タイトルだ…

絵とワードの物語 『いっぱいしゃべるきみがすき』 

 その口は留まることを知らないみたいに、次から次へと言葉を降り積もらせていく。その話が続く間に、後ろを何人もの客が通り過ぎて行ったが、彼はおかまいなしだ。  まぶしくて目が潰れそうなのに、ガラスを見る目はそんなことお構いなしにきらきらと輝きを増していくから不思議。どうしてそんなに夢中になれるんだろう。  ねえ、きみは気付いている?  その横顔に、きみと同じ熱量で、じっと当てられている視線があることに。 「そういうところが、好きなんだよね」  語り終えて少し息をついたその姿に、

絵とワードの物語 『やっぱり、おんなじ』 

 色の好みも正反対、性格も内気と強気、好きなこともばらばらで、似ているのは顔だけかもって…

絵とワードの物語 『夏の予定は』 

 おばあちゃんちで遊ぶのは、実はそんなに好きじゃない。  いつも見てるテレビ番組は見れな…

絵とワードの物語 『そらいっぱいのもういっかい』 

「なくなっちゃった」  拗ねたようにつぶやく君の手には、きれいにソフトクリームだけが消え…

絵とワードの物語 『彩りを添えて』 

 よいしょ、と言いながら草取りから立ち上がったのは、もう何十年と連れ添った相手と同時だっ…