マガジンのカバー画像

岡部えつ|エッセイ|Essay

27
岡部えつ(小説家)のエッセイです。不定期に更新中。
運営しているクリエイター

記事一覧

映画『Yokosuka 1953』のトークイベントに出演します

現在、横浜シネマリンで上映中のドキュメンタリー映画『Yokosuka 1953』。ベルさんと同じ、進…

岡部えつ
11日前
10

ハロウィーンと銃事件

ハロウィーン・ヒステリー 渋谷のハロウィーンは、今や日本だけでなく世界的にも有名で、外国…

100
岡部えつ
1か月前
9

ベルさんが、NHKのドキュメンタリー番組に

ベルさんのお母さん探しの活動が、NHKのドキュメンタリー番組で取り上げられます。 9月17日(…

岡部えつ
2か月前
37

日本随一の歓楽街、新宿と女たちの歴史

言わずと知れた日本随一の歓楽街、新宿。 ここを舞台にした日本の小説や映画が数知れないのは…

100
岡部えつ
2か月前
9

戦争と女性

2つのニュース9月に入ってすぐ、二日続けて米兵が起こした事件がニュースサイトに掲載された…

100
岡部えつ
2か月前
17

GIベビー、ベルさんの物語(仮)

序章  アネッタ、麗子、ベル。その人には、三つの名前がある。  彼女が最初に認識した自分…

岡部えつ
6か月前
54

『沈黙は共犯 闘う医師』を観た - ムクウェゲ医師の言葉とフェミニズム

 NHKのドキュメンタリー番組『こころの時代〜宗教・人生〜』の『アフリカの思想にふれる (1)「沈黙は共犯 闘う医師」』を観た。  アフリカのコンゴ共和国の紛争地域で、性暴力の被害に遭った女性たちの治療を続けている医師、デニ・ムクウェゲさんを扱った番組である。彼は、コンゴでは人、家族、コミュニティーを一気に破壊する"兵器"として、レイプが組織的に行われていると、世界に訴え続けてもいる。 性欲の捌け口ではなく、兵器として。  ぞっとする言葉だが、まさかとも思わない。レイプは暴力

有料
100

GIベビー、ベルさんの戦争が終わるときー天涯孤独に生きてきた“混血孤児”が、73歳に…

2023年12月に出版が決まったノンフィクション 『GIベビー、ベルさんの物語(仮題)』の 序章と…

岡部えつ
1年前
97

妖怪"誤解"。口癖は「誤解させてすみません」

先日、小学校3年生の姪を連れて、『水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 』に行ってきた。幼い頃か…

岡部えつ
1年前
13

アンビエントな夜

荻窪ベルベットサンの、火曜日BARへ行く。 あっついあっついと言いながら入ると、先に来ていた…

岡部えつ
1年前
11

新宿午後八時

新宿に、20年近いつき合いになる馴染みの店がある。 まん延防止とかのせいで、17時開店だとい…

岡部えつ
2年前
154

Fire Waltz --- スガダイロートリオ+東保光 at アケタの店

 彼の演奏は、上澄みの清らかな水面を見せてしんとしているわたしの、底を叩いて水を濁らせる…

岡部えつ
3年前
18

 いつの頃からか、季節とは、これまでの時間を五感から想起させるノスタルジアのことではない…

岡部えつ
3年前
14

闇の中のジュリエット

 読み返すたびに違う味がじゅわっと滲み出てくるのが名作というものであるわけだが、先般、訳あって古典の名作シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』(平井正穂訳)を久し振りに読み、またあらたな味わいに酔いしれるとともに、400年の時を経てなお現在に重く問いかけてくる問題に思いを馳せる機会があったので、読書感想文的に書き残しておこうと思う。      * * *  ロミオとジュリエットの恋は、暗闇の中で進んでいく。夜の舞踏会で出会い、その深夜にバルコニーで愛を告白し合い、ロレン