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循環する家を作ろうと思ったわけ

私は今、千葉県富津市で「循環する家」をつくっています。
「循環する家」とは、材料に土に還るものや、リサイクルできるものを使った家。
そして、循環する暮らしができるようなシステムを備えた家。
例えば、雨水を利用できるようにするとか、太陽熱でお湯をつくるとか
排泄物を畑の肥料として使うためのコンポストトイレなどなどです。

こんな家を作ろうと思ったのには3つ訳があります。

ひとつめは、将来ゴミとなる家にモヤモヤしてしまったから

私は、古い部屋をDIYでリフォームして賃貸物件にするという事をしていました。
リフォームの現場では毎回たくさんのゴミが出ました。
ゴミの山を目の前にすると気持ちが沈みました。
ゴミを積み上げた光景は決して気持ちのいいものではありません。

そこに大きなトラックがやってきて、荷台いっぱいにゴミを積み、そのトラックが走り去るとその場所はすっきりと綺麗になりホッとしました。

でも、そのゴミはどこに行ったのでしょうか?産廃業者さんの努力で、分別されリサイクルされるものが多くなったようですが、どうする事もできなくて埋めるゴミも沢山あります。

ゴミは目の前からはなくなっても、どこかに移動しただけで無くなってはいないのです。

「自分の目の前だけ美しければいいの?」 
「使っている材料はまた何十年後かにはゴミになるよね?」
自分がした事にモヤモヤする気持ちが残りました。

昔の人たちがしていたように、自然に還るものだけで家を作りたい。
そして自然を大切にする暮らし方をしたい。
そう思ったのです。

ふたつめは豊かな暮らしをしたいと思ったから

「循環する家」での暮らしは、自然と共に生きる豊かな暮らしだと想像しています。
「豊か」というと「お金」を連想する人が多いけれど、それだけではありません。「豊か」が何なのかは、それは人それぞれ違います。

高価なブランドを持つことや、豪邸や高級車を所有する事、ファーストクラスで海外旅行に自由に行ける事、オシャレなレストランでのコース料理で
豊かさを感じる人もいるでしょう。それも素敵。

でも、私はというと、自然の中で好きな人たちと楽しくのんびり過すことが何よりも豊かだと思っています。
キラキラした装飾品よりも、木の香りがする家や、土の温かさを感じる家に豊かさを感じるし、庭の畑からの新鮮な野菜を食べるとか、季節の花の香りをかぐことに豊かさを感じます。
(そしてたまには、色んな景色を見たり美味しいものを食べる旅に出れたら最高だ!)
私はあとどのくらい生きるのかは知らないけれど、
これからの人生は「あー楽しい!「あー幸せ!」と感じる時間で埋め尽くしたいのです。
それができるのが「循環する家」なのです。

3つめはこんな家の選択肢もあることを伝えたい

「循環する家」をセルフビルドしようと思ったのは、こんな家に住むという選択肢もあるんだよという事を伝えたかったからです。
まわりの知人をみていると、家を買う時に多くの人は住宅展示場にいくか、建売住宅を見るか、中古物件を探して業者さんにリフォームしてもらうというくらいの選択肢から選ぶようですね。
「循環する家」のように自然素材だけで、循環する暮らしができるシステムを備えた家に住みたいと思った時、たいていの方はどうすればいいのかわからないでしょう。

という私も、まだ作っている段階で本当にできるのかはまだ分からないのですが・・・。

それでも、アラフィフの女性でも家を作ることが不可能ではないんだなという事を伝えていきたいし、
循環する素材だけで家を作ることが出来る事、
そして最高に心地よく暮らせる家にできるという事を伝えられたらいいと思います。
(「循環する家」が心地いい家に仕上がるのかは未知ですが、家をデザインして一緒に作ってくださっている光風林さんの家は、とても心地いいのでそうなると信じています)




今日は、どうして「循環する家」を作ろうと思ったのかを
改めて思い出して書いてみました。

セルフビルドをやってみると不器用な私にはなかなか難しくて、
体力も必要で、へこたれそうにもなっているけれど・・・

自分の家を自分でつくることはとても貴重な経験となるし、
この家で豊かに暮らすことが今の夢なので、作ることも楽しんでいきたいです。

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