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初春大歌舞伎 三部

初春の歌舞伎座を体感するのは2年振り。1階4列のセンター近くと言う私にとって超良席を取って頂き初春感が爆上がりした。
もちろん猿之助さんの「四ノ切」が目当てでオミクロン株が拡大する中5時間程の東京滞在で初春を寿ぐ歌舞伎座を満喫した。

三部は「岩戸の景清」と「四ノ切」だが「岩戸の景清」の景清役の尾上松也君がコロナ濃厚接触者で急遽休演の発表が14日にあり、当日から市川猿弥さんが景清の代役として発表された。
猿三郎さんのブログによると14日の夕方に振り移しで18時から出演だからぶっつけ本番状態だったとか。
 松也君には申し訳ないがたまさか猿弥景清と出逢えて良かった。
本来は新春浅草歌舞伎に出演の若手花形がコロナ禍で2年連続浅草歌舞伎が中止になりそのチームで舞踊を披露する場だった。

岩戸が空くまでは巳之助、種之助、隼人、莟玉、米吉、新悟、歌昇の今をときめく花形が居並ぶのだが、歌舞伎座の広さを感じてしまう。歌昇君が大きさを見せた風に感じた。
岩戸が空いたらそこに猿弥景清。

舞台が急に締まる。猿弥ちゃんの体格が大きいからではない。猿弥景清の放つオーラの大きいことよ。花形相手の立ち回りのスピード感、軽やかでありながらおおらかな景清の動き、三代目の教えがしっかりと染み込んでるから何の違和感も無いどころか、初日から景清を演じているような貫禄。花道の飛び六方の引っ込みもキビキビ。盛大な拍手だ。

一部も出演者にコロナ感染があり、名題さん達が見事な代役を勤めたと聞く。歌舞伎の凄さと賞賛するが、その方達は代役が終わったら粛々と元の立場に戻るのだ。
猿弥ちゃんはおもだか屋なのでそもそも三代目のスーパー歌舞伎や復活狂言でも大役をこなしている。よだいめのスーパー歌舞伎Ⅱでも話題のお役を勤めているので主役を演じる事に何の違和感もない。

歌舞伎界に門閥だけでなく一般のお家からお弟子に光が当たったのはコロナ禍だと言う皮肉な結果だ。

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