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企業系検査技師のグローバルな学会事情

はじめに

ごきげんいかがですか、ふたこ研です。

先日3年ぶりに海外出張に行きました。コロナ禍の情況において私の会社も例外なく海外出張を禁止していたので、久しぶりすぎて行く前はなんだかソワソワしてました…

ここ10年くらい、海外に行く機会が多く7割くらいは仕事や勉強です。
日本の検査技師の資格では制限がありますが、今や臨床検査技師として、企業系検査技師として海外で働くのは特に珍しいことではなく選択肢もたくさんあります。日本にいても海外の関係者たちと仕事をすることや関わりをもつことはとても身近なことです。
ということで、今回から何回かに分けて”企業系検査技師のグローバルな事情”をnoteしてみようかと思います。

Part 1. 海外学会

きっかけはアジアの学会

そもそも、遊び目的でなく海外に初めて行ったのは学生の頃に研究室の先生に連れられて東南アジアの学会に参加したときです。
海外学会発表もこの東南アジアの学会が最初ですので、私が仕事で海外と関わるようになったすべてのきっかけ、ターニングポイントとなっています。

ヨーロッパの学会で鍛えられた

最初の企業転職先の診断薬会社で新規技術開発を担当していたころ、その技術を理解するには会社に入ってくる情報だけでは不十分であることを感じており、だったら海外の学会で情報収集してこよう、と思い立ったのが欧米の学会への参加のきっかけです。
とはいえ、中小企業の新米技術者が海外学会へ行く費用なんて会社が出してくれるわけもなく、夏季休暇+有給休暇&自費、で専門領域の国際学会が行われるFrance, Parisへ飛びました。”自分の休みを使って自費でヨーロッパの学会へ”でインプットした内容は自分の業務のみにおいてアウトプットが行われ、周囲には提供しません(私のものは皆のもの、という広い心は持ち合わせておらず、自分が得た知識なんだからさ…という狭い…)。
そうすると段々と周囲もその情報が欲しくなるらしく、数回後には経費で参加させてもらえることになるということに。毎年学会貧乏だったので助かりました…

自分の時間とお金を無駄にしないようにと、自分へかけるプレッシャーはとてつもなく、聞き漏らさないように、見逃さないように、と聴講や機器展示すべてに神経を使っていました。学会はその年の流行りの確認やこれからの動向を探る場でもあると思っていますが、そこを把握する力というのはこの初期の学会参加の経験によって身に付いています。
インプットした知識や認識した情報をどうアウトプットに落とし込むか、という意識を持って参加していないと無駄な時間とお金を払っただけで終わることになる、ということですね。

アメリカとヨーロッパの学会内容の違い

これは私の主観ですが、分野によってはアメリカとヨーロッパで学会の内容の方向性や特徴が違います。いくつかの領域でアメリカ、ヨーロッパの学会に参加してきて、アメリカは比較的保守的でデータに裏付けされたものを着実に積み上げるための検討を実施していることが多いです。

一方ヨーロッパは先進的な取り組み、まずやってみよう、という検討が多く、発表を聞いているとその観点があったか~と楽しくなります。もちろん、それぞれで設定されるガイドラインは異なりますし、日本はどちらも参照しているはずですがアメリカ寄りになることが多い気がするので、今後の日本の動きはどうなるかな~と考えたいときはアメリカの学会で動向を確認する、ということをしていました(主観です)。

日本と欧米の学会内容の違い

とにかく最初の頃は、なんでこんなに海外学会はRegistration fee(参加費)が高いのだろうと思っていました。
日本は1~3万円程度なのに対して、欧米の学会は400$~1,500$くらい、最新の技術が集まるものだと2,000$くらいのものがあります。もちろん学会設備が整っているなどはあるのですが、とにかく内容が充実しているのが関係していると思います。
海外の学会に参加したあとに同じ分野の日本の学会に参加すると「このネタ5年くらいずっとやってるね…」みたいな残念なことも多いです。もちろん、分野にもよるかもしれないですが、臨床系の学会においても同様な記事があるので傾向はそうなんだろうと思います。

海外の学会に行けばいいよ、というわけではなく、企業系検査技師は、見ている(見ないといけない)範囲が広いしそれを求められるので、視野が広がる学会や勉強の場を自分から探していく、という意識は常に持つ、むしろ染みついていることが望ましい、です。
これは学校では教えてくれないし、臨床現場では必要としないので身に付かないところなのですが、企業人の中でやっていこうとすると必須なところなんです。

まとめ

今回は海外の学会に参加することで得た学びをまとめてみました。

  • インプットした知識や認識した情報をどうアウトプットに落とし込むか

  • 視野が広がる学会や勉強の場を自分から探していくという意識

日頃から心がけられることなので私も磨いていきたいと思います❕

それではまた、ごきげんよう。


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