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血も凍る

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怪談ツイキャス「禍話(まがばなし)」で放送された怖いお話を、色々な方が文章に“リライト”しています。それを独自の基準により勝手にまとめたものです。
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2020年4月の記事一覧

【視聴注意!?】禍話「例の女」まとめ

ドラマ化されたことでも話題になった、禍話の「例の女」ってどんな人?聞くと来るって本当?勝手ながらまとめてみました。 ▶︎禍話の「例の女」って?独自に収集した怖い話を配信しているネットラジオ「禍話」。 そこで百物語の最終話として話されたのが「例の女」にまつわる話です。 「聞く勇気が出ない」「聞いて後悔」とたびたびツイッターで話題になっています。 ▶︎どんな人?「禍話」の話し手であるかぁなっきさんにつきまとっている「若い女性らしきオバケ」です。 名前がタブーとなっているため、

【怖い話】9人いるゥ……!【「禍話」リライト35】

「少年自然の家って言うとさ、私も、なんていうか……つらい体験したことがあるんだけどね」  居酒屋で、少年自然の家(山にある児童宿泊施設。小中学校のレクリエーションに使ったりする)にまつわる怪談をしていた際、出てきた話。  耳や鼻にいくつもピアスをつけ、カラコンを入れているタイプの、ヤンチャめなお姉さんがそう切り出した。  名前を仮に、Oさんとしておこう。 「もちろん、今みたいになってない頃の話ね」  小学5年の時だという。  全何泊の行事だったかは忘れてしまったものの、確

【禍話リライト】みなごろし/完璧な彼/謝罪者

「みなごろし」 学生街みたいなところで、そのまま就職して住んでるって人がいて。 ずっとお世話になってる定食屋さんがあって。ほら、500円でおかわり出来るみたいな、うちの大学近くにもあるような。休みがね、日曜日だけなんだって。それ以外ずーっとやってるみたいな。 学生からずーっと使ってて、もう10年くらいの付き合いだ、みたいになってて。 日曜の夜にそこを通ったんですって。それでパッと見たら貼り紙がしてあって。 達筆な字だったんですって。達筆な方が筆ペンで書いたような。 あの、

禍話リライト『くまだがきている』

※この話に出てくる名前はすべて仮名です。 10年とは言わないが、それぐらい昔の話だ。 ある日の食事中。娘さんが、最近こっくりさんをしているという話をしてくれた。といっても娘さんはこっくりさんではなく「おうじさま」とかなんとかそういった名前で呼んでいて、この話をしてくれた人は最初、それがこっくりさんのことだとは思わなかったそうだ。 「お父さんのときはこっくりさんって言ったんだよそれ。ちゃんと答えてくれるの?」 「まぁ答えになってるんだかなってないんだか……でも間違ってはないよ

禍話リライト:首のない家

 語られたのはよく怪談の話題にされるような、団地にある誰も寄りつかない一角についてだった。 「首がない話なんですけど」  団地の一角にある綺麗な二階建ての家は「夜叉が出る」と噂されていた。周囲からは『夜叉の家』とも呼ばれていたほどだ。「行くと不幸になる」と近所の人は皆、口を揃えて言った。  実際、立ち入った後にバイクで事故を起こした人がいる。友人の友人くらいの遠縁ではあるが、話によると左手の指を全て失ったらしい。絶対にしてはならないのにアスファルトに手を触れさせ、ずりずり