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鵞鳥と鴨のフォアグラの違い

一口にファアグラと言っても2種類ある。鵞鳥のフォアグラと鴨のフォアグラである。その違いは、まず飼育法からして異なる。

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鵞鳥と鴨の飼育の違いは、鵞鳥は3月から6月にかけて1羽の雛しか生まれないが、鴨は年間約100個の卵を産むという。また、鵞鳥は性格的に繊細なため、1日に3回に分けて餌付けをする必要があり、餌付け期間も20~28日と長い。これに対し、鴨は1日2回で餌付け期間は13日程度である。鴨に対して誕生数が圧倒的に少なく、餌付けの手間もかかる鵞鳥のフォアグラが、より高価なのは納得できる。

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また、フォアグラが取り出せるのは、鵞鳥はオス、メスどちらもだが、鴨のメスの肝臓は血管が多いのでオスのみである。鴨のフォアグラの飼育からフォアグラを取り出しまでは次のような行程を踏む。まず3か月は自然の中で育て、その後ガヴァージュ(強制的にエサを食べさせること)を行い、首を切って動脈を切り、体内の血を切って羽を抜く。さらに24時間つるして空気にふれさせてから(この作業をしないで、すぐ処理するところもある)、腹部を切り、フォアグラを取り出すのである。

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(写真は、鴨からフォアグラを取り出しているところ)

フォアグラを取り除いた後の鴨のフィレ肉を、マグレ・ド・カナーと言って料理に用いられる。大ぶりで脂肪の割合も多く、美味である。

なお、写真は、アランデュカスシェフを子供の頃から知っているという、フランス南西部ランド県のフォアグラ農家。

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