見出し画像

15,000才の水とギンガムチェック

オーヴェルニュ地方と言えば火山地帯であったため、その火山灰でできた土地である。だからその土からできる建物も黒い!ミシュランで有名な町、クレモン・フェランの大聖堂が黒いのはこのせいである。そんなオーヴェルニュ地方は、火山の地層を15,000年もかけてろ過された水が湧き出るので水が豊富。ボルヴィックやシャテルドンなど日本にも輸入されている。有名な温泉地ヴィシーの天然炭酸水も。この水は重炭酸塩が入っているので常温で飲むと塩味がする炭酸水という感じでちょっと飲み慣れないが、地元の人は水源からボトルに何本も注いで家に持ち帰る。
ヴィシーは、19世紀、ナポレオン3世が治癒に訪れた際、この町を気に入り、大改造したらしい。その際建てられたカジノやオペラハウス、また、温泉浴場などの施設など、アールデコ調の建物が今でも残っている。また、ヴィシーは、語学教育にも力を注いでいるので、この町に語学研修で滞在したという日本人も多いのでは?

画像1


温泉は、30か所くらいから湧き出るのが、飲料水としての源泉をもとめて住民がペットボトルを持ち込むのは、セレスタンというかつて修道院があったところ。この建物の内部の蛇口から、だれでも自由に水を飲むことができるのである。肝臓疾患や消化器系の病気によいということで温泉治療として使用されている。

セレスタン入り口

自由に飲める水道

この水からヒントを得て作られたパスティーユ(小さな飴)がある。パスティーユ・ヴィシーと呼ばれが、これは、温泉水を蒸発させ、豊富なミネラルを含む塩を抽出。それをメントールやアニスで風味付けして飴にしたものである。1914年まで薬局でしか売られていなかったそうだが、その後、形を八角形にし、登録商標を得て[Pastille Vichy]として全国的に出回るようになりました。現在では、Moinetというコンフィズリーでその伝統的なパスティーユの生産を引き継いでおり、パリにもお店がある。

ところで、このパスティーユが入っている缶の模様は、ギンガムチェックだが、これは、かつて織物産業が栄えたヴィシーで、20世紀初頭考案されたヴィシーのギンガムチェックと言われている。なので、フランス人はこのギンガムチェックを、今だに「ヴィシー」と呼んでいます。

画像5

画像6

(ショコラチエのジャン・ポール・エヴァンが一昨年前、紙袋のデザインを変えてギンガムチェックのものにしたときに“ヴィシー”と言っていたので、本当に言うんだ!と思いました。(笑))

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?