【後編】 TikTokも再生回数で稼げる時代に。1分動画のバズらせ方を実例を元に解説
3月に大幅アップデートされたことで話題のTikTok収益化プログラム。今回は新バージョンの収益化プログラムの条件である1分動画はどうやればバズりやすくなるのか。それに加え1再生あたりの単価を最大化する方法について実例を元に解説します。
また、この記事は後編となっております。前編ではTikTokの収益化についてまだあまり知らない方に向けて以下の2点を解説しています。
・収益化の条件
・アップデート前と後で何が変わったのか
もし「収益化についてまだ何も知らない」という方はぜひ先に前編の方から読んでみてください。
TikTokの狙い
まず、1分動画を伸ばすために意識する点はそもそもの動画の尺が長い分、多岐に渡ります。そのためまずは何よりもTikTok側がクリエイターに求める要素を分解し、それに沿った動画構成にすることが必要になります。
「TikTok側がクリエイター側に求めることなんてわかるわけなくない?」と思われたかもしれません。しかしこれに関しては、TIkTokのアプリを入れている人なら誰でも見ることができるんです。
誰でも見ることができるそれは、公式から発表された「再生単価を決める4つの方法」というものです。これはTikTokの運営側の気持ちになれば簡単にわかることで、「再生単価を上げてまでそういった動画を作らせたい=そういった動画が求められている=動画が伸びやすい」ということになります。
再生単価を決める要素
そしてその「再生単価を決める4つの方法」が以下の4点です。
・視聴者のエンゲージメント
・検索価値
・平均視聴時間と動画の完了率
・有効視聴者数の地域分布
これらを細分化するとこのようになります。
・視聴者のエンゲージメント
→いいねやコメント
・検索価値
→人気の検索ワードと一致する旬のネタ
・平均視聴時間と動画の完了率
→平均の視聴時間と視聴完了率
・有効視聴者数の地域分布
→5秒以上見た人の住んでいる・活動している地域
この中でも特に重要なのが、「平均視聴時間と動画の完了率」です。この数値が再生に大きく影響した実例(同アカウントで投稿したそれぞれの動画のアナリティクス)をご覧ください。
【実例】動画のアナリティクス
投稿A
再生数:69,000回
報酬額:¥811
投稿B
再生数:3,100,000回
報酬額:¥71,700
これを見る限り、「平均視聴時間」と「視聴完了率」はバズった投稿Aの方が良好なものの、「5秒以内の離脱率」はバズっていない投稿Bの方が良好。また、RPM(1,000再生ごとの単価)は再生数には大きくは関係していません。
ここからわかる事としては、冒頭の離脱率を抑えることはもちろん大事ですがそれよりも中盤以降で離脱させず、いかに視聴完了させるかが1分動画のバズの鍵になっているということです。1分動画を作る上で大切なのは短尺動画でよく言われる「冒頭2秒でできるだけ多くの人の興味を惹く」よりも、「冒頭で引きつけた視聴者をできるだけ長く視聴維持・視聴完了させる構成・台本作りと言うことになります。
それに加え、エンゲージメントの良い「投稿A」とそうでない「投稿B」のRPMにあまり差がないことから、単価を最大化させるには動画のエンゲージメントを上げるよりも、アカウントジャンルの選定等、アカウント設計を重視していく必要があると言うこともわかります。
いかがでしたでしょうか。まだ始まったばかりの新プログラムのため、検索価値や視聴分布など大きな検証はまだできていませんが、今のアルゴリズムでバズりやすい1分動画の作り方はある程度伝授できたのではないでしょうか。
ここからは今週のTikTokトレンドです。検索価値によって単価が変わるとTIkTok公式から発表された以上、TikTok内のトレンドをしっかり把握することは単価を最大化する上で今以上に重要になります。このアカウントでは毎週TikTokトレンドをわかりやすくまとめて解説していますので、是非チェックしてください。
国内外トレンドコンテンツ
国内トレンドコンテンツ5選
No.1 魔性の女A
女性の自己肯定感が上がる歌詞が人気の「魔性の女A」がトレンドとなっている。楽曲中には「フェイスラインがマドンナ」「上目遣いがたまんないや」と撮影時の画角が指定されるような歌詞が含まれており、それに合わせてカメラワークを動かす動画や、人気女優やインフルエンサーの推し動画の音源としても多く使われている。直近でバズった「全方向美少女」からもわかるように、女性の自己肯定感を上げる歌詞や、撮影時の画角を指定するような歌詞の動画が人気となる傾向がある。
No.2 初恋キラー
「全方向美少女」で話題となったシンガーソングライターの乃紫が新しく発表した「初恋キラー」がトレンドとなっている。歌詞に出てくる「渋谷」「下北沢」「新宿」のイメージに沿った服を合わせるファッション系の動画を初め、推し動画やリップシンク、vlogなどオールジャンルで使用される楽曲となっている。
No.3 Blue Monday
3月に海外で大きなトレンドとなり未だに投稿され続けている動画が日本でもトレンドになり始めている。元はBlue MondayのMIX音源に合わせて、親子やカップル等が日常でする些細な言い合いをバトル風に出し合うコンテンツ。そのフォーマットを踏襲した動画も多く投稿されているが、日本では普通のダンスとして投稿されているものも多い。
海外トレンドコンテンツ3選
No.1 PS2フィルター
3月に日本でもトレンドとなったPS2フィルターだが、日本でのトレンドはTikTokとは別アプリで編集したものを投稿するというものだった。しかし3月末にTikTokの機能としてPS2のフィルターが出たことにより4月に入ってから海外でもトレンドとなっている。
No.2 Work
正面を向いてリップシンクをした後に後ろを向いてお尻を振る動画がトレンドとなっている。若者を中心として人気になったこのトレンドはすでにアレンジ動画も出てきており、赤ちゃんや動物が踊る動画は特に人気となっている。
中国でオススメのクリエイター
クリエイター:李美越
街中で1人派手な格好をしており、街ゆく人のリアクションを切り取って面白くみせている動画クリエイター。
動画の始まりで、明らかに街並みに合っていない中国風の服装をすることで注意を惹き、その後もリズミカルな音楽に合わせて通行人の困惑しているリアクションを切り取って面白く表現している。
動画の要所で「お前も着るのかよ!」というツッコミどころを用意しており、飽きずに続きが気になるところもこの動画の伸びている要因の一つだと考えられる。
非言語動画にも関わらず、分かりやすくストーリー性と笑いどころを取り入れ、2分近くの動画を見せることができているのがこのクリエイターの優れているところだ。
参考動画
https://v.douyin.com/iYJfNgTc/
タメになるTikTok News
KDDIと連携し、ショートフィルムクリエイターを支援!
TikTokとKDDIが連携し、3月29日の16:00〜ハッシュタグチャレンジ「#ショートフィルムSupported by au」を開催した。ショートフィルムクリエイターを支援するための取り組みで、優秀投稿には「au賞」が送られる。
キャンペーン期間中には、『カメラを止めるな!』や『レンタル部下』で知られる上田慎一郎監督も自身の公式アカウントで縦型短編を投稿予定だ。
参照記事
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