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マレーシアで結核増えてます

 結核? とお思いになる方が多いと思います。日本だともはや過去の病気のようにも思えますが、マレーシアでは年々増えています。これ、かかると厄介です。

 マレーシア保健省の統計によると、2023年の全国の結核感染者数は2万6781人。2022年は2万5391人だったため、約5.5%増でした。また、2021年は2万1727人と毎年2万台なんです。州別にみると、最も多いのはサバ州の5814人、スランゴール州の5631人、サラワク州の3177人など。

 死亡者数は発表されていませんが、2022年には2572人が亡くなっているので、2023年はそれ以上だったのでしょう。
 
 結核は空気感染で、新型コロナとほぼ感染経路は同じ。菌を吸い込むと、きつい咳が2週間以上続き、微熱もあるのが主な症状。体重の減少や全身の倦怠感も現れます。感染した場合、マレーシアでは最低6か月の抗結核薬を投与する必要があります。下手をすると慢性化し、けっこう大変な目に遭うと思います。

 予防はツベルクリンの予防接種です。マレーシアでも予防接種は義務付けられているようですが、受けていない人が多いようです。これはなぜと思いますが、新型コロナのワクチン接種でもイスラームの信条をもとに受けない人も多かったことを考えると、ツベルクリンの未接種もそれが原因か。

 結核の潜伏期間は数か月から数年とかなり長い。接触してもすぐには症状が出ないので、誰からいつかかったかはなかなか見つけるのは難しい。だとすると予防接種をしてマスクをしているしかないのかもしれません。

 一方、日本でも結核感染者数は多いのはご存知でしょうか。

 2023年の統計はまだ出ていませんが、2022年は1万235人が感染し、1664人が死亡。わずかながら減ってきてはいるようですが、それでも1万人を越えている。1日あたり27人が感染しているという数字なのです。つまり、過去の病気ではなく、まだまだ現在の病気なのです。

 マレーシアでは現在、新型コロナはだいぶ落ち着いてきていますが、このほかにもさまざまな病気がまだまだ健在です。結核だけでなく、デング熱、チフス、日本脳炎、ジフテリア、狂犬病といった病気もあり、なかなか油断ができません。特にデング熱にかかる人は多く、2023年は12万3133人の前年比約86%増を記録しました。蚊を見たら殺すようにしてください。
 
 結核やデング熱に感染した場合、病院での対応はだいぶ慣れているのでスムーズですが、結核になると病院で隔離されます。指定の期間はありませんが、2週間ほどのようです。マスクの着用や手洗いは義務付けられます。退院してからも薬の投与や医療機関への定期的な診療もあり、日常生活にも支障を来します。

 いずれにしても、これからマレーシアに来られる方やすでに滞在されている方は病気関連については十分に気をつけましょう。


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