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断食開始。ラマダーン・バザールに行きました。

 マレーシアでは3月23日から断食月(ラマダーン)が始まりました。パンデミック以後の本格的なラマダーンで、以前と同じような風景が戻ってきています。

 3月22日夜にマレーシア国王事務局が「23日から断食を開始する」と発表しました。新月が視認できたためです。イスラームの多い国はどこでもそうだと思いますが、新月が国内各地で確認できないと断食月は開始できません。マレーシアの場合、国内29か所で確認し、各スルタンの承認を得たうえで、発表されます。

 また、断食が終わるときも同様です。4月24日は「断食明け」になっていますが、これはあくまで暫定。前日に月を確認して決まります。そのため、1日ずれることがよくあるのです。「明日は断食明けだなあ」と思っていても、あさってになったということはよくあります。

 さて、よく知られているように、断食月は夜明けから日暮れまで飲食や喫煙、性交などは一切禁止です。きょうの時点で午前5時56分から午後7時23分まで禁欲せねばなりません。夜明けも日暮れも毎日少しずつずれていくので、断食する人たちはこの時間に敏感になっています。結局、12時間以上の禁欲生活の上、暑いのでなかなか大変だと思います。フィンランドなど北欧だと数時間しか昼がないので、楽なんですが。

 マレーシアでこの時期には各地にラマダーン・バザールというのが出現します。僕はあまり興味がなかったのですが、家の前で開かれていたので、ちょっと見てみました。

 いろんな食べ物が並んでいて、それは美味しそうでした。

大きな鍋に入ったスープ
青いご飯のNasi Kerabuも登場
焼き魚。金額はかなり高め。
羊の丸焼き

 クランタン州はタイに国境を接しているため、クアラルンプールやペナンではあまりみられない食材も並びます。タイ料理をマレー化させた調理が多いのが特徴。なので、メニューをみてもなかなかわからないことも多いのです。今回はNasi Khomokと初めてきいたメニューを売っていたので、買ってみました。これはタイのコメをブリヤニのような味付けにして、揚げたチキンといっしょに食べるもの。国民食Nasi Lemakと似たようなところはあるのですが、味付けが抜群で美味しい。これはまたあしたも食べてみたいなあ。これはクアラルンプールでは見たことがなく、ここでしか食べられないのだと思います。

見た目はほかのマレー料理と変わらないNasi Khomok

 こんな食材をいっぱい並べているラマダーン・バザールは断食月のみの限定バザールです。鶏を焼いたりして、ものすごくいい匂いが立ち込めるのですが、断食をしている人たちは、かわいそうかな、買ってもすぐには食べられません。バザールは午後3時ごろにはじまり、9時ぐらいには終わりますが、5時ごろが大盛況。しかし、買って帰ってもまだ2時間ほどは食べられないのです。

 今回バザールに行って、なんとなく意味がわかった気がします。お腹がすいているなかで、ああいった匂いを嗅ぐことで暫定的にお腹をふくらませるのかもしれません。来た人たちに食欲を大いに焚き付けて、たくさん買ってもらう意味もあるのかと思いますが、バザールではいろんな食べ物が一堂に会するので、各レストランでバラバラに買うより、効率がいい。特に家族が多いマレー人にとってそこで大量に買って帰れるということもできます。効率性も考えたバザールなのかもしれません。どおりでマレー人はみな行きたがるのかがわかりました。

 さて、最後にラマダーン中のレストランについて。

 今回、僕はパンデミック後初めてのラマダーンを迎えました。パンデミック中はラマダーン中でなくても、飲食店の開店には制限があったりしましたが、今回はほとんど制限のないラマダンです。以前の風景に戻った感があります。

 きょう朝にスタバでコーヒーを飲もうと思ったら、閉まっていたので驚きました。隣のマクドナルドも。

午後3時からのスタバ
マックも昼間は休業

 どちらも午後3時から開店だそうですが、クアラルンプールやペナンだとこうはなりません。華人や外国人が多いためですが、クランタン州は人口の95%がイスラーム教徒なので、市場のほとんどが昼間は来れない状況になると結局、「昼間は休業」という選択肢になるんだろうと解釈しています。こういうときは、なかなかマイノリティーはきついなと思いました。ちなみに、中華レストランは問題なく、開いています。

 マレー半島の東海岸に断食中にいらっしゃる場合はご注意を。

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