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馬欧比較 観覧車が多い

 今回ヨーロッパには3か国を訪れました。ロンドン、ブリュッセル、アントワープにはそれぞれ観覧車があり、とても印象的でした。

 観覧車は特段興味はないのですが、なぜこんなに多いのでしょうか。東南アジアにはあまり見かけることはないことを鑑みると、ヨーロッパ人は観覧車に何か思い入れがあるのでしょうか。

 ロンドンで有名なのはロンドン・アイ。テムズ川沿いのビッグベン近くにそびえ立ち、高さは135メートルだそうです。観覧車はカプセルの中で座って外を眺めるものですが、このロンドンのはカプセル内を立って移動できる代物。それだけでもちょっと怖いのですが、頂上に着けば360度をくまなくみられるようです。

ロンドン・アイとかもめ

 このロンドン・アイを模倣して、シンガポールにもシンガポール・フライヤーができました。世界最大級の高さで、現在は観光地としても有名です。

 そして、ベルギーのブリュッセルに行ったときにはこれまた観覧車を発見。それほど大きいものではありませんでしたが、Viewという簡易型観覧車。設置場所がなかったのか、なぜか裁判所の前に立っていました。川沿いから街全体を見るというものではなく、古い建物の中から周辺を見渡すといった感じ。乗っている人はだれもおらず、これはどういったコンセプトだったのか。

裁判所前の観覧車

 アントワープというダイアモンド取引で有名な街がありますが、電車できれいな中央駅に降り立って外に出るとびっくりしました。駅前に観覧車があるのです。「なぜこんなところに?」と思ったのですが、ここもほかに場所がなかったのでしょう。とにかく周りの風景とは異質で、とても目立つ存在。風景を重んじるヨーロッパの人ですが、これには反対はなかったのか。この観覧車も簡易型のものでしたので、おそらくしばらくすれば撤去されるのでしょう。それにしても、誰も乗っていなかった。

駅前の観覧車。奥の建物は駅です
芸術的なアントワープ中央駅

 今回訪れたオランダ・アムステルダムでは観覧車を見かけませんでしたが、冬にはどうも現れるようです。あの街もとても古いところなので、上から見れると面白いとは思うのですが、少なくとも僕が訪れた市内では見かけることはありませんでした。

 いずれにしても、これだけ観覧車があるとは思いませんでしたが、ヨーロッパの街は古い街が多いので、上から見ることでその風景を楽しんでいるのかもしれません。観光客向けというのは否めませんが、いずれにしてもきれいな風景を見せるためというコンセプトがあるのでしょう。

 さて、一方で東南アジアでは観覧車は巨大なものはシンガポールとバンコクのみ。バンコクはチャオプラヤー川沿いに一つありますが、近くに王宮や寺もあって、なかなか風景としてはいびつな感じです。

 実はマレーシアには2007年にロンドン・アイを真似た観覧車がありました。高さ60メートルほどで、ツインタワーから北に行ったティティワンサ湖沿いにあったのです。1年ほどありましたが、その後はマラッカに移転。3年ほど運行してなくなってしまいました。あまり人気がなかったようです。

 そもそもマレーシアで観覧車を作っても、街自体がぐちゃぐちゃしているので、ヨーロッパのようなきれいな風景は期待できません。昼間に乗ればとても暑いということもあり、あまり魅力的ではなかったのでしょう。

 また、かつてクアラルンプールでは観覧車付きモールが建設計画としてあがりました。その後は頓挫したとみられますが、この建物は市内で最も高い建物にする予定で、なぜか観覧車がモールの建物の上に備え付けられる計画でした。これは作られても観覧車に乗る人はいなかったでしょう。計画が頓挫するのも無理はありませんが、それほど観覧車は人気がないという証左でもあるように思えます。

 シンガポールとバンコクには巨大な観覧車はありますが、その他の都市にはああいったものはありません。なので、ヨーロッパで少し小さな町にも観覧車があるのには驚いたわけです。

 いずれにしても、観覧車を通してヨーロッパの人の街へのこだわりが垣間見えた気がします。

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