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銀行員が顧客口座の預金盗む 注意が必要(続報更新)

 マレーシアでは日本人にはなかなか理解できない事故や事件が発生します。今回はマレーシアに銀行口座を持つ人は注意してほしいニュースをお伝えします。

 15日付の英語紙『ニュー・ストレーツ・タイムズ』によると、銀行の定期預金口座から不正に顧客のお金を引き出した容疑で銀行員(38)が逮捕されました。サバ州コタキナバルで複数の口座から引き出され、被害総額は2420万リンギ(約8億円)!

 6月初めに4人の顧客が「定期預金口座から勝手に引き出されている」と被害を訴え、警察の捜査で銀行内での犯行が高いと判断し、行員を調べていくとこの人物に行き当たったようです。この男の逮捕の翌日にもコタキナバルで女も逮捕されました。19日までに総勢14人が逮捕され、うち4人が行員だったということです。22歳から54歳の男女で、女の容疑者は5人。警察はさらにほかにも関与している人物がいると語っています。最初に逮捕された容疑者の関係先からは他人名義のだったのか、キャッシュカードが8枚も押収されています。

 コタキナバルで引き出されたとのことですが、被害の遭った顧客はスランゴール州プタリン・ジャヤに住んでおり、みな「コタキナバルで出金はしていない」と主張。ほかの街に住んでいた人の口座からそれも現金をわざわざ引き出していたのです。

 現金を引き出していたということですが、ATMから引き出していたのでしょう。それは防犯カメラにばっちり映ると思うのですが、本人は映っていると思わなかったのでしょうか。そもそも銀行内で犯罪を犯しても、それはいずれはバレる犯罪であると思います。それも定期預金を引き出すなんて行員でなければできないはず。かなりお粗末な犯罪でした。

 報道ではどの銀行かは記載されていません。マレーシアの場合、誰でも知っている企業で犯罪がおきた場合、会社名は出さずに報道することがよくあります。まあ、新聞のスポンサーだったりするためですが、こういった報道の仕方はどうなのかとも思います。

 さて、マレーシアに住む日本人もこの被害に遭わないとは限りません。

 もう10年以上も前の話ですが、日本人上司がメイバンクの普通口座から1万リンギ(約30万円)が盗まれる事件がありました。当時も銀行口座からの送金は携帯電話に一回限りの承認番号が送られてきましたが、この上司はそれもなかったと。行内でそれを操作して、不正に引き出したとみられます。銀行内の仕業であることは明白で、この上司は警察に被害届を出しました。その後はどうなったかわかりません。

 ほかの日本人の友人も「1000リンギがいつの間にかなくなった」と被害を訴えていたことがあります。この方の件もその後どうなったかわかりませんが、いずれにしても銀行側は口座の残高を把握しているため、行内の容疑者はお金をある程度持っている人をターゲットにしたようです。

 実際の被害件数などはなかなか明らかにされません。そりゃ、銀行の信用問題になるので、発表はされないでしょう。それでも警察が実名を出さずともこういった事件が発生していると言ってもよさそうですが、それもほとんどありません。

 不正の預金引き出しは防止策はないに等しく、ひたすら毎日自分の口座の残高を確認するしかないと思います。少しでもおかしい出金があれば、即座に銀行に問い合わせ、警察に被害届を出すことをオススメします。また、マレーシアの銀行系のクレジットカードにも身に覚えのない金額が課金されている可能性もあるので、このあたりも要注意です。

 銀行は預金保護対策をいろいろとしていますが、今回のように行内で組織的にやられては口座保有者にとってはどうしようもありません。銀行だからと安易に信用しないことは肝要です。日本の銀行も同様の事件が起きないとは限りませんが、いずれにしても自分の預金は自分で守ることが海外でも鉄則です。

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