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エアアジアは定刻通りに飛べるのか

 マレーシアの格安航空エアアジア。チケットは安くて、誰でも乗れるコンセプトをうたっています。確かにそれはそれで非常に重要なのですが、定刻通りになかなか飛ばない。というか私見ながら飛べないのだと思います。「安いから定刻通りではなくてもいい」ですませられるのでしょうか。

 僕はマレー半島東海岸から月に1〜2回は飛行機でクアラルンプールに戻ります。KLIAに行くには、マレーシア航空かエアアジアしかないのです(先月からはMyAirlines という新しい航空会社ができました)。

 さて、クアラルンプールまでは飛行機で1時間ほどの距離。遅れてもそう対して時間が狂うわけではないのですが、やはりできる限り定刻通りに行ってほしいのは僕だけではないはず。

 クアラルンプールまでマレーシア航空は毎日2便が飛んでいるのですが、突然欠航になることが多く、とても困る。朝便が夜便に変わることもしばしばで、そうなると予定を全部変えないといけないのです。なので便数が多いエアアジアを選ぶのですが、パンデミック以後から再びかなり遅延が目立つようになりました。パンデミック時は、便数も客もあまりおらず、定刻通りにほとんど飛んでいましたが、最近は30分ぐらいから1時間ほどの遅延が増えたのです。

 昨日はクアラルンプールから戻ってきたのですが、えらい目に遭いました。もともと予約していた午後5時の便は1か月前に19時50分に変更させられました。少し余裕を見て空港に到着し、食事をしていたら何やらメッセージが来て、30分遅れると。

まあ、いいか。

と思って、ゲートに行くと、人はみな携帯電話をだるそうにいじりながら待っています。しかし、午後8時を過ぎても肝心な飛行機は来ず。待った挙げ句に来たのは午後8時20分。つまり、再度通知のあった予定離陸時間に飛行機が来たわけで、そこから乗客が乗ったりして結局離陸は40分後。飛行機は1時間で着きましたが、なんだかんだで午後10時に到着しました。

 さらに、最終便だったため、空港には人が来ないため、空港でグラブが捕まらない。30分以上待ちましたが、まったく捕まらないので、友達に連絡してピックアップを頼みました。結局自宅についたのは11時すぎ。クアラルンプールの家から6時間かかったことになるのです。これではクアラルンプールからバスに乗ってきたのと同じ時間になってしまいます。

 航空データを提供するCIRIUMは毎年、定時運航率を算出してランキングにしていますが、エアアジアはどうなのでしょうか。

 2022年のアジア太平洋地域での定時運航率が最も高かったのはなんと「タイ・エアアジア」。全フライト中91.56%が定刻通りだったといいます。一方で、「マレーシア・エアアジア」は8位で80.99%と低い。ただ、僕の感覚からすると、この数字も高過ぎる気がします。10回乗って、定時で離陸するのは2回ぐらいなのかな。

 遅延になったフライトでは日本の航空会社だと平謝りですが、エアアジアはさらっと「すいません」程度で終わってしまいます。お国柄なのでしょうが、さらに乗務員は何度も往復しているので、すでに疲れ切っており(特に夜便)、笑顔もない。

 遅延がほぼ常態化しているようなエアアジアですが、今後これを改善する気はあるのでしょうか。時間の文化的な背景も考えると、たぶんないと思います。

 マレーシアでは30分から1時間ぐらい遅れても、それほど文句を言う人はいません。じっと待って耐えているというより、「神の思し召しによって遅れている」と考える人が多いようで、2時間ぐらいまで遅れてもあまり文句を言わない。

 ただ、5時間以上遅れるとみなソーシャルメディア上にアップして、マスコミが騒ぎ、政府が介入してきます。特に遅延で何の補償もないと華人乗客は大騒ぎするので、航空会社もそのあたりが遅延の限界と考えているフシがあります。

 そもそもあの出発時間というのは何を意味しているのかを今回のことで考えてしまいました。特に格安航空会社の出発時間はあってないような気がします。「このあたりの時間で飛び立つよ」ぐらいの感覚なのかもしれません。

 エアアジアのサイトに遅れる理由が説明されているのですが、より多くの人たちを輸送するために便数を多くして努力していると。そのため、数週間前からスケジュールを変更して対応しているが、それが間に合わず直前になって遅延になることもあるのだと説明しています。そのほかにも天候や整備時間の問題なども指摘していますが、なんか日本の航空会社と比較してしまうと、それは「単なる言い訳では?」と感じしまうのです。

 これは格安航空だから許されるのかもしれませんが、パンデミックが終わり、世界が超高速社会に入っている中で、「遅延はしない」のマインドにしないと客がついていかなくなっていく気がします。これはマレーシア人全体のマインドにかかわるのですが、さて、どうなるか。

 

 

 


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