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WIPO GREEN関連企業の特許状況

少し前の記事となりますが、WIPO GREENの公表している資料の中から、パーム油工場の廃液(POME)に関する問題解決ソリューションについて、Spotifyにて紹介をさせていただきました。

今回は、紹介した内容のうち、「Animal Feed Supplementsについて」で取り上げた、iCell Sustainable Nutrition (略してiCell)という、私が調べる限りでは中国ベースの企業について、この企業が出願している特許について、簡単に調べてみました。

前回Spotifyでお話した内容をここで少し再掲させていただくと、iCellは、Single-Cell Protein(SCP)、すなわち微生物タンパク質の製造を通じて、食品産業チェーンにおける水と栄養素のための二重の閉鎖ループ ソリューションを提供するとのことです。
この技術は、低炭素排出量、資源リサイクル、持続可能な栄養を促進するための中核的な取り組みとして、付加価値のある栄養生産のための汚泥と栄養副産物の資源利用を採用してるとのこと、 iCell テクノロジーの導入は、パーム油工場の廃液の利用を活用して環境の持続可能性を促進し、地元インドネシアの飼料原料市場を支援し、エビ、家禽、牛の飼料生産者向けの飼料原料の輸入削減に貢献するとのことです。

iCellは特許権を取得した技術を用いて、パーム油工場の廃液を微生物タンパク質生産に用い、その結果、SCPを動物の飼料として使用することができ、パーム油搾油プロセスからの水と栄養素の完全リサイクル経済を実現し、環境的、社会的利益と、ガバナンスへの投資を生みだすことができるとのことです。
また、研究開発の枠組みとしては、iCellからライセンスを受け、ジョイントベンチャーを立ち上げる形でおこなっているとのことです。

早速Lens.orgでiCellの特許出願状況について見てみました。

フアミリー単位で5特許、件数は7特許出願確認をすることができました。

主な出願国:マレーシア、アメリカ、中国

「自己消化法を利用した好気性単細胞タンパク質の製造法」、「汚泥酸加水分解による微生物アミノ酸の抽出方法」、「高活性グレードフミン酸及びその製造方法」、「微生物生産のためのシステムと方法」、「微生物原料と処理水製品を同時生産する資源回収法」について出願している。
このうち、「「自己消化法を利用した好気性単細胞タンパク質の製造法」について、マレーシアで権利化がされている。

WIPO発の情報は、日本企業以外の企業や、日本が権利対象国に入っていない場合の知財戦略について、良質の分析材料となりうるので、今後も色んな視点から、WIPO発の情報について分析を行ってみたいと思います。


*エトワール国際知的財産事務所 

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