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幸せとは真冬に浸かるお風呂のようだ

「幸せって何?」

そう子供に聞かれたら、

「冬の寒い時期にお風呂に入ると体がじわりと温まるでしょ?幸せってそういうことだよ。」

と答えたい。

***

「幸せになりたい。」

「でも、幸せってなんなのだろう。」

そんなことをふとした瞬間に考えることがある。

「仕事を頑張って幸せになりたい。」

「結婚をして幸せになりたい。」

「夢を叶えて幸せになりたい。」

そう世の中の人はこうやって嘆くけれど、

そもそも幸せって何なのか。

自分が何になれたら幸せと呼べて、

何ができるようになったら幸せになるのか。

みんながみんな幸せを欲しているけれど、

幸せって何かみんな知っているのかな?

一生かけて自分で答えを見つけていくものなのかもしれない。

そんなことを自問自答していた。

なんて壮大なテーマなのだろう。

けれども、一つ分かったことがある。

***

年はじめの凍える気持ちで帰宅をしたある日、
お風呂に浸かった瞬間にそれを感じた。

「あぁ、幸せってこういうことか」
と何だか急に腑に落ちた。

辛い思いを経験してはじめて
何気ない日常生活に有難みを感じることができるように、

病気をしてはじめて
今まで元気だった自分に恋焦がれるように、

芯まで冷え切った体になってはじめて
あたたかい湯舟が本当にあたたかいことを知ることができる

その感覚を知った時、
「あ、幸せだな。」と、心がそう呟いた。

幸せって、
冬の寒い日にお風呂に入ることみたいだね。






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