【LGBTQ】G7議長国日本、LGBT法成立なるか。与野党合意案、さらに修正続く。

2023年4月28日、自民党がLGBT法案について本格議論を再開した。
4月22日、23日は東京レインボープライド2023(TRP)。5月7日までの「プライドウィーク」期間には、全国各地でLGBTQ関連のイベントが開催された。6月は「プライド月間」もあり、世界的にLGBTQ関連のイベントが多くなる時期だ。

今回はG7広島サミット≪議長国≫、2年前は東京オリンピック≪開催国≫

今回の自民党の動きの背景にはG7広島サミット(主要国首脳会議)があるようで、サミット前の成立を求める声が挙がっている。だが、2年前も東京オリンピック開催前に同じような背景で、与野党が合意するも成立しなかった過去がある。

LGBT法、与野党が合意するも…

2021年5月14日、LGBTなど性的少数者の課題を考える超党派の議員連盟は国会内で総会を開き、LGBT法案について与野党が合意した。
合意案には、自民党案である理解増進法案に「差別は許されない」などの文言が加えられた。野党が掲げる差別解消法案との折り合いをつけた形だ。
その後、国会に提出してLGBT法が成立する流れだったが、自民党内で意見がまとまらず、その流れは国会提出前にストップする。そして、そのまま6月に入り通常国会は閉会する。
自民党内からは閉会前に時期を区切る点も指摘があったが、意見が分かれたのは「差別は許されない」という差別禁止についての内容だった。

G7外相会合、共同声明「LGBTQの権利の促進と保護」

東京オリンピック閉幕後もLGBT法は制定されていない。2年が経ち、今回はG7広島サミット前に成立を目指す動きだ。
今年4月にG7外相会合が開かれたが、共同声明には、「LGBTQIA+の人々の権利の促進と保護に関するG7の継続的な世界的リーダーシップを再確認する」(※1)と明記されている。だが、日本はG7で唯一、同性婚を法的に認めておらず、LGBT差別禁止法がない。
5月19日からG7広島サミットが開催されるが、議長国である日本がどのようなリーダーシップを発揮するのか、世界も注目する。

G7サミット前の成立は困難

しかし、G7サミット前の法案成立は困難な情勢のようだ。
自民党は、G7サミット前に国会提出する方向で調整しているが、合意案について自民党内では意見が分かれたままだ。

自民党内で合意案に反発の声続く…

GW明けの5月8日、自民党執行部は合意案を修正した法案を提示している。修正案では、「性自認」の文言を「性同一性」に、「差別は許されない」を「不当な差別はあってはならない」に置き換えられている。
また、10日の自民党会合で執行部は、性的指向と性同一性の多様性に関する「調査研究」の推進を規定した部分について、「学術研究」の推進に修正する案を説明した。会合後、超党派議連会長を務める岩屋毅元防衛相は「できるだけ早く結論を得る。集約の時期は遠くない」と記者団に語る。

G7広島サミットまで残り10日を切り、通常国会の閉会も約1か月後だ。
修正案について、与野党の合意が得られておらず、自民党内でも議論が続いている。

更新

※1(2023/05/16修正)
(元文)
「LGBTQの権利の促進と保護に関するG7の世界的リーダーシップを再確認する」
(修正)
「LGBTQIA+の人々の権利の促進と保護に関するG7の継続的な世界的リーダーシップを再確認する」
引用元:G7外相コミュニケ(和文仮訳)
出典:G7長野県軽井沢外相会合、外務省HP


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