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本当の愛について友達と号泣しながら考えた話。


このお話は、別れと死のことが出てくるので
辛くなってしまうようであれば飛ばしてください。


友達と日帰り温泉に行った。
私は彼と別れ、友達は最愛の生後数ヶ月の子供を亡くした。

彼女は、

『愛しているって言葉の本当の意味を知らずにきっと今まで使ってきたと思う』

と言った。

彼女は心から愛しているという感情を知ったと言っていた。

棺の中にいる我が子に最後に
『愛している』

そう言ったそうだ。


私は涙が止まらなかった。
そして、私の別れたときの涙は

彼を本当に愛していたのだろうか。

そう思うきっかけとなった。

きっと、愛の形にはそれぞれあって
私も私なりには愛していたのだとは思う。


だけど、

《好きだよ》

とは言えても

《愛している》

とは言えていなかった。

愛とは
自分の心の中で湧き上がる感情で
相手がどんな状態であろうとも
全てを包み込めるものなのだと思った。


私と友達はたくさん泣いた。
大号泣した。声が震えてとにかく泣いた。

その後、温泉に入った。

温泉のお湯はほんのりと熱くて
露天風呂の気温ととても合っていた。

私達はただそこにいて
湯の中にいた。

彼女はこんなに自分の中に人を愛すという感情があるのなら、もう一度来年妊活して子供を産みたいと言った。


私は病気を持っていて妊娠することはかなり難しい。だから、彼女の愛おしい、愛したい、という感情を聞けたことがとても嬉しかった。

帰り道の電車の中で、私は彼女に感謝した。

きっと、私はまだ本当の愛を知らない。
それでも人を愛したい。


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