職場での「いいね」 宇宙いいね!

車での帰り道

あまり通ったことのない信号に出た。

近い遠いはあるだろうけど、どちらに行っても帰ることはできる。

不慣れな商店街。狭い道。

猛暑の間違いではと思いたくなるような残暑。

正直、どちらの道を選んだところで、時間も景色もそう変わらなさそう。

「右と左、どっちに行きたい?」

幸い、あとは帰るだけ。

道順にこだわりのある子もいないので、なんの気なしに聞いてみた。

その声に、間髪入れずに後部座席の子どもが跳ねる。

「宇宙に行きたい!」

突然の予想外な反応と、

シートベルトが宇宙服のように重なって、

バックミラー越しに職員同士の目が合って…………、沈黙は瞬間だけ。口元は両者すでに笑っていた。

「それ、超いいね!」

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放課後等児童デイサービス

主に学校帰りの過ごしのひとつとして、調理・買い物・工作・外出など課題を通して、同世代の子どもたちとのやりとりを学ぶ場所。

各施設、センターにもよりますが、行き帰りの送迎もサービスに含まれていることが多いことも特徴のひとつ。

「どこに行きたい」と尋ねること

「宇宙」と答えること

「いいねー!」とそれを受け取ること

「そういえば」と思い出して振り返ること

どこから覚えてきたんだろうと思ってしまう語彙や表現に、こちらが引きこまれてしまうこと。

それを成長としてご家庭へ共有すること。

仕事をしていて、よかったなと思うのは、こんな日です。

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