香港日記 【犬がやっと香港で登録された日】
こんばんは。本日は犬を連れて日本に戻るという今回の香港に来た目的を達成するために、一番大変で一番大事な始めの1歩が終わった。AFCDと呼ばれる、日本で言えば農林水産省での犬の生態登録になる。AFCDは漢字だと漁農自然護理署。
私の犬を日本に連れて戻るには、先ず香港の政府に生態登録されてIDが発行され無いと連れて帰れない。ことの初めは私が香港に移り住んだ2019年の4月、私はビザを持っていなかったので香港IDも持っていなかった。しかし、犬の登録はパスポートは利用出来ず、香港IDが必要だ。なので、私が香港に犬と一緒に入境した際に、AFCDは犬を入境拒否するのでは無く、その後私がビザを取って香港IDをもらったらそのIDを後日登録しに来てね、というとても柔軟な対応をしてくれた。
しかし、その後私はQMASという特殊なビザの申請をしたけれど結局ビザをもらえず(おまけに申請してから1年以上経って日本に戻ってから結果が出た)、香港IDを取れないまま仕事も見つからずコロナのロックダウンになって日本に急遽帰国しなくてはいけなくなってしまった。私の犬は無理やり連れて帰れば成田空港で検疫の為に6ヶ月間檻で隔離される為、そのまま香港に滞在させる事にしたが、香港で登録されていない為宙ぶらりんの4次元ポケットに入ってしまった。
今回、香港に来る前から犬を登録する為の香港IDを使わせてくれる協力者を見つけるのが一番難しいと予想していた。先ずは、この難解複雑な話を説明して理解してもらうのが物凄く大変だ。そして、理解してもらえたとしてもマイナンバーカードの番号と同じ様な立ち位置の、香港IDを私の犬の為に使っても良いという人だって居ないだろう。なので、お金も10万円ぐらい報酬で払うつもりでいた。ハイキング仲間にも説明し、私の広東語の勉強グループに居た友人にもこの複雑な話を説明して拡散をお願いした。
誰かお小遣い稼ぎで自分の香港IDを使って私の犬をAFCDで登録してくれる人は知らないかと聞いてみたわけだが、奇跡的に広東語の勉強グループに居た友人本人が自分の香港IDを使っていいよと言ってくれた。おまけに、お金は要らないと言う。その優しさに驚いた。
それが先週の金曜日、そしてそれからその彼とメッセージで色々やり取りし、本当にどうしても香港IDが必要なのかと何度も何度もAFCDとも確認を取って確かめた後に本日一緒に犬を連れてAFCDの派出所に行った。AFCD側も私の様なケースをこれまで見たことが無いので、困り果てて本部の上司に電話をしてどう処理するか話し合っていた。結局1時間くらい協議の結果が出るまで待たされた。
長い待ち時間の後、AFCD側での対応が決まった。先ず私が彼に犬を譲渡する事になり、その書類にサインした。その後、彼は彼の香港IDを使って譲渡された犬を無事香港のシステムに登録する事が出来た。これで犬を日本に連れて帰る為の次のステップに進む事が出来る。
という事で素晴らしく寛大な心を持って私を信用してくれて大事な香港IDを使って名義上私の犬の保護者になってくれた彼には沢山のお礼をしたいが彼はワクチン未接種で飲食店には入れないのでお昼やお茶をご馳走する事も出来ない。早くワクチン接種が無くてもお店に入れる様になれば良いのにと思う。