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日記 【ドキュメンタリー: 香港画】

こんばんは。週末の京都は大変賑わっていた。混み過ぎて、交差点を待っている人で通路が遮断されて通り抜けれなかったほどだ。

そんな中、京都の新しい映画館で『香港画』というドキュメンタリーが上映中なのを発見して観に行って来た。

監督は元々はドキュメンタリーを撮るつもりも無く、2019年11月終わりにたまたま香港に居たらしい。ところが香港デモ参加者の若さと情熱に動かされて、2020年1月まで最初の予定より長く滞在して1か月半録り続けたそうだ。

映像を10分くらいに編集してYouTubeに出そうと思っていた物が、結局30分近くの映画となった。これらの成り行きは、映画が終わった後のオンライン舞台挨拶で監督自身が説明されていた。

映画が始まって、香港の密集したマンション群が映ると、懐かしい気持ちになった。TKOという場所が映る。ハイキング仲間の2人がTKOに住んでいる。

映画では、デモ側の色々な人が紹介された。

同じ香港人なのに催涙ガスを打てと命令されて納得いかず警察を辞めて政治家になった女性。デモに参加した事で逮捕された政治家。中国系の銀行ATMやMaxim's系統の店を破壊する事について話すデモ過激派。大学に閉じ込められた学生達を元気付けようと外で音楽を流す大人達。

映像を観ながら、あの時の経験と何とも言えない感情が蘇った。私は1度だけだが逃亡犯条例改正案反対の平和的なデモに湾仔からセントラル近くまで日中歩いて参加した事がある。又ある時は、デモが行われている時にたまたま湾仔にいて催涙ガスを浴びてしまった事もある。

私は香港でデモに参加していた人達が好きだった。みんな自由と人権に対して情熱を持っていた。危ないから近づいちゃ駄目だよと心配してくれたり、マスクを配ったり、マナーも良く優しい若い活動家達。

香港を愛する香港人が中国への逃亡犯条例改正案に反対して起きたデモ。しかし、リーダーが居ない草の根のムーブメントだから、その特徴的で真似しやすい格好から、テレグラムやLIHKGという誰でも参加出来てしまうプラットフォームを使っていたから、途中からそれを悪利用する反対勢が出始めた。

デモ参加者の振りをした私服警察がショッピングセンターで一気に若いデモ隊を逮捕するシーンは、この映画にも出て来る。

何処でも同じだ。アメリカでも、Qアノンやトランプ大統領支持者の振りをするのは同じ様な理由で簡単だ。LIHKGがFacebookやReddit、4chや8chに変わっただけ。そのグループの1人の振りをして眉をひそめる様な悪事をすれば、それによって他の99.9%の平和的にデモをしていた人達の信用を地に落とす事が出来る。

こういった方法は、独裁政治や専制的政治が民主主義や自由を求めるグループを抑圧する為に歴史上何度も繰り返されてきた。

オンライン舞台挨拶の最後に、監督は2020年6月30日に制定された香港国家安全維持法の話をした。この法律でデモはもう不可能になった事、スローガンを挙げた旗を持っているだけでも逮捕される事を語った。

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