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わざと不良品を出す時代に。

昔どこかで読んだ程度の記憶なので、正確ではないかもしれないけれど。

ある工場で、100個に1個の不良品が出ていました。これを1000個に1個の不良率まで品質向上を徹底したところ、逆にコストがかかりすぎてしまった。100個に1個出る不良品に対応して良品と交換するほうがコストが安い...そこで品質管理の基準を元に戻しました。

最初に読んだとき、がっかりしたことを覚えています。不良品が多ければ、そのメーカーや製品の信頼は下がるじゃない?長い目で見て損するんじゃないの?って。

ところが全メーカー、全業種がそういったコスト至上主義の考えになれば、初期不良や早期故障はいつでもどこでも普通にあるものだと思うようになります。壊れた製品やメーカーが悪いのでなく、製品というものは意外に簡単に壊れてしまうもの、だんだんそんな意識になってきます。

コスト削減を考えたら一定の不良品はやむを得ない。なんだか最近、昔より壊れやすくなったと感じる製品。消費者は頑丈な製品より多少壊れやすくても安い製品を選ぶ。不景気の中で売上が伸びず、コストを下げて利益確保に走る企業。それぞれの思惑が今の状況を作り出しています。

とびきり丈夫でかっこ良く、メチャメチャこだわって値段もすごく高い。もしそういうものを作りたいなら、逆に今こそチャンスかもしれません。


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