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さいはての彼女。短編集の中の「冬空のクレーン」感想。


原田マハってやっぱすげえなぁ。
短編集なんだけど、この中の「冬空のクレーン」という短編を一気に読んだ。60ページぐらい。
短いけど、一つの映画を見たぐらいの充実感はあった。

タンチョヅルが出てくるんだけど、雪の中に舞うタンチョヅルたちの姿が実にリアルにイメージができて、まるで真冬の北海道の雪の中にポツンと自分一人立って、それを見ているような気がした。

物語の主人公は大手の土地開発会社のキャリアウーマン。会社のトラブルで会社に腹を立て,一カ月の有給休暇をとって冬の北海道へ来た。

そこで出会うタンチョヅルと、それを保護観察する男性と出会い、物語は進んでいく。

結末がどうのこうのとかじゃなくて、この物語への没入感がすごかった。
とにかく文章が上手い。
見事としか言いようがない。
終わらないでくれ,この物語よ、みたいな感じで読んでいた。

小説の力、文章の魅力を堪能した60分間でした。

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