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「なんだか変」を信じて動く〜生後2ヶ月の子供が救急搬送されました

表題のとおり、この度、生後2ヶ月を迎えた子供が救急搬送され、救命措置から開腹手術を経て、一命を取り留めました。

本記事はその経過記録(日記)ではなく、「赤ちゃんの急変にはこういうケースもあるのだな」と知っていただくための一事例を提供する趣旨で書いています。

と言うのも、救急要請時の子供は、意識あり・呼吸あり・泣かない・直前まで哺乳と通常の排便あり・発熱その他症状なしと、説明できるような異変がなく、救急要請を迷う状態だったからです。(このため、119ではなく、まず#7119で相談するという選択肢をとりました。)
結果として、救急要請から執刀まで最速の対応ながら、デッドラインとされる時間ギリギリでの救命となりました。
もし、翌朝まで様子を見ようという判断をしていれば、命は助からなかった恐れが高いです。

幼い子を持つ友人も多くいるため、微力ながら、今回の経験が小さな命を助ける手掛かりになればという気持ちで、判断のポイントとなった症状や対応を紹介したいと思います。

【注】あくまでも我が家の一事例ですし、私には医学的な専門性はありませんので、その前提でお目通しください。

1.普段出さない声に気づく

子供の異変を確信したのは、泣きこそしないものの、普段出さない声を出していたことです。具体的には、「ウー、ウー、ウー」と、例えるならモールス信号や何らかのアラームのような、機械的で単調な声を出し続けていました。
この月齢の子は、クーイングが増える時期ですし、日に日に新しい発声が見られるため、見分けるのは難しいとは思うのですが、抑揚がなく、どことなく不穏に感じました。

2.各時間帯の平熱を把握する

体調を把握する上で、体温は基本的な情報になると思います。うちの場合、平熱36度台後半のところ、この時は36度ぴったりと「やや低い」値でした。
一方、ネット検索によれば深夜の赤ちゃんは36度前後まで下がるという情報もあり、これが異常なことなのか、判断に迷いました。
日中だけではなく、朝・夜(・できれば深夜)の各時間帯の平熱を把握しておけば、異常に気づく可能性が高まるかと思います。

3.顔色だけではなく手足も見る

救急要請の決め手となった症状の一つは顔色でしたが、明らかな青や紫ではなく、どことなく白っぽいな、という感じでした。
実際、救急車内で隊員から、「これは普段の顔色と違うのですね?」と3回くらい確認されました。普段見ている保護者から見れば、なんか白いな、という程度の顔色の悪さでした。
一方、救急車のストレッチャーに寝かされた子供を見て初めて気がついたのですが、足の裏は明らかな紫でした。
抹消は体温や血流の低下が出やすいので、目視することも大切だと思いました。

4.発汗を確かめる

子供に対して最初に抱いた違和感は、おむつ替えの際に支えた後頭部がぐっしょりと汗をかいていたことです。
就寝時の室温は20-22度で保っており、おくるみを巻いていたとはいえ、汗をかくほど暑いとは思えません。これも今思えばヘルプサインの一つだったのだと思います。

5.水分補給(哺乳)ができるか確かめる

これはよく言われることかもしれませんが、水分補給(哺乳)ができない場合は、救急要請を迷わなくても良いかと思います
単にお腹いっぱいという場合もありますが、今回は、指を口元にやると吸いたがる仕草をするのに、乳首やミルクは吸わない(吸う力が弱い)という状態でした。
哺乳力の低下は異変を示すサインでもあるし、直接脱水につながる症状のため、これをもって救急要請をするに至りました。

迷ったら#7119や#8000で相談しよう

急変に確信が持てない場合は、#7119や#8000で相談して、判断を仰ぐのが良いと思います。もちろん、かかりつけの病院の営業時間であれば、そちらに相談するのも良いかと思います。
※実施していない自治体もあるため、公式HPをご確認ください。

急なケガや病気をしたとき、救急車を呼んだが方がいいか、今すぐに病院に行った方がいいかなど、判断に迷うことがあると思います。
そんなとき、専門家からアドバイスを受けることができる電話相談窓口が救急安心センター事業(♯7119)です。
保護者の方が、休日・夜間のこどもの症状にどのように対応したら良いのか、病院を受診した方がよいのかなど判断に迷った時に、小児科医師・看護師に電話で相談できるものです。

なお、我が家の場合は、急変の時間に#8000が営業時間外だったので、#7119を利用しました。
#7119だと、救急の必要がありと判断された場合、直接要請できるため、「受診に迷う」というよりも「救急車を呼ぶか迷う」という場合はこちらが良いと思います。

「なんだか変」を信じて動こう

正直、もう一度同じことがあった時に、迷わず救急要請の判断ができる自信はありません。
もっと状況が違ったら…例えば、疲れていて眠くて仕方ない夜だったら、判断がブレていたかもしれません。
それでも、日頃から愛を持って接している保護者であれば、きっと、子供の細やかなサインに「なんだか変だな」「いつもと違うな」と気がつくことができると思います。
難しいのは、その気づきを信じて、救命行動を実行することだと思います。「大したことではないだろう」という楽観視、あるいは、「事態を大事にしたくない」「周囲に迷惑をかけたくない」という弱い気持ちによって、違和感を胸に押し留めてしまうかもしれません。

どうか勇気を出して、「なんだか変」を信じて、動いてみてください。その行動が、自分で不調を説明できない小さな命を救うことにつながるのだと思います。

また後から気づいたことなどあれば、追記していきたいと思います。

【再掲・注】あくまでも我が家の一事例ですし、私には医学的な専門性はありませんので、その前提でお目通しください。

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