発展途上国のフードロス問題を考えよう!
日本が大きく直面しているフードロス問題。最近は、メディアでも先進国の課題として頻繁に取り上げられるようになりましたが、実は"発展途上国"のフードロス問題も深刻なんです。今回はそんな発展途上国のフードロス問題を深堀ります。
フードロスとは?
世界では、全人口76億人のうち9人に1人、約8億2100万人が飢えに苦しめられています。一方で、生産された食品の3分の1、13億トンあまりが捨てられていることをご存知でしょうか?
後進国や途上国では飢餓が深刻な状況にある一方で、先進国では消費されずに廃棄となる食品が多く「食品ロス」が問題視されているのです。
フードロスの現状
それでは世界と日本でフードロスの現状を見てみましょう!
世界の現状
世界では毎年、全人口の食を賄うには十分な量である40億トンの食料が生産されています。しかし、食料が余る国と食料が不足する国が存在しているのが現実です。その原因の1つとされているのが食品ロスなのです。
先進国では大量に食料が生産され、自給できないものについては輸入を行います。つまり、40億トンある食料の多くは、収入があり消費が見込まれる先進国に集中するのです。しかし、この食料は消費者自身や小売店などの流通の過程で余ったものは廃棄されてしまいます。
「UNEP Food Waste Index Report 2021」によると、世界の食品ロスは9億3,100万トンで、世界の食品ロスの61%が家庭から、26%が外食産業から、13%が小売業から排出されています。
食品ロスという言葉を聞いた際に、「事業者による大量生産・大量廃棄」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。しかし実際には、家庭で発生するロスが非常に多いのです。
食品ロスランキング2021
「UNEP Food Waste Index Report 2021」では、家庭で廃棄される食べ物の量について、世界ランキングを発表しています。
ランキング1位は中国ですが、日本の順位も非常に高いのが現状です。
日本の現状
農林水産省の2015年度の調査によると、日本国内で生まれた食品ロスは646万トン(推計)。国連WFPが2017年に支援した食料の総量380万トンの、約1.7倍に当たります。
日本の食料自給率(カロリーベース)は、38%にすぎません。食品ロスを抑え、必要以上に食物を輸入しないようにすることは、食品を輸入に頼る国が果たすべき義務と言ってもいいでしょう。
発展途上国のフードロス問題
発展途上国は食べ物が足りなかったり、作れる生産力があまりないイメージがありますよね。
実際は、たくさん作れる生産力はあるが、広大な土地に比べて作物が作れる地域が限られているんです。
そのため、採れた作物がたくさんあっても、道路が整備されていなかったり、運ぶトラックがなかったりして街に持っていくことができず、市場に持っていくまでに腐ってしまうケースが非常に多いのが現状です。
「採れた野菜」→「街に運べない」
せっかく多く作っているのに、消費者の口に届いていないことでフードロスの問題が発生し、深刻化しているのです!
まとめ
海から離れた場所でも新鮮な魚介類などが食べられるのは、世界的に考えると珍しく、温度管理をして運ぶなど日本の運搬技術は優れているのだと実感しました。
食物の流通は日本では当たり前のように行われているが、発展途上国ではそれができずにフードロスとなってしまい、食べられない方が多くいます。逆に日本では、流通ができているにも関わらず余りが出てしまい、フードロスにつながっているのです。
日本に住んでいる方でも、発展途上国のフードロス問題を学ぶことで、深刻さの理解と当たり前への感謝に気づかされたと思います。
「てまえどり」をするなど、日々の生活から自分たちにできることは何かを考え、フードロスがなくなる世の中を目指していきましょう!
<参考>
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