あるべき姿に向き合えている時 「#天職だと感じた瞬間」

 みなさんの中で子供の頃 将来こんな仕事がしたいと思い描いて、学校で専門知識を学んで、その道をひたすら突き進むといった、一貫性を持って仕事をしているという方はどれだけいるでしょう?

わたしはというと、そう順調にはきていません。高校時代は進学校で、一時期は東大に年間10人くらい輩出していたところですが、その反面 わたしのように勉強に挫折して、道を踏み外した人もちらほらいました。

大学も何となく建設の分野に進みましたが、何がやりたいかもはっきりせず、経営の分野に文転するなど、かなり血迷っていたと思います。

そして、漠然と広い世界が見えるであろう商社の営業として就職し、手に職が必要だと不安を感じていたことから機械設計 ⇒ 専門的過ぎて挫折し、いまは機械のメンテマンとして働いています。

 メンテナンスといっても種類は幅広く、「突発メンテ」「定期メンテ」に分かれます。前者は機械が停止してすぐに復旧を求められるもの、後者は予防保全として故障を未然に防ぐ措置を施す内容となります。

また、機械の種類も幅広いです。電気やプログラミングの知識が必要なものや、機械の専門的な知識を要するものなどです。

そのことから、メンテマンでも設計者並みの知識を持っていて、なおかつ現場の経験も豊富という人はかなり希少だと思います。

わたしの会社は某有名自動車メーカーに部品を納品する会社で、その生産管理システムの特徴から在庫を殆ど持ちません。そのため、機械を長時間止めることは許されません

その部品を作る様々な自動機械をメンテナンスする訳ですが、プレスや炉などといった幅広い機械があり、それらはPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)というCPUでおおむね制御されています。

入社する前はちゃんと触ったことなどありません。機械が停止した時にこのプログラムを見て、どこで異常が発生したかを突き止めることが多いのですが、調べても永遠に分からないこともあり胃がキリキリする状況が常です。

 ただ、このような状況が続くと、自分が何としてでも直さないといけないという、火事場の馬鹿力のようなものが出てきて、解決できたという事例が増えていきます。

付け焼刃的な知識でも後に、点と点が繋がって線になるように、線になってきたら、その線のどこが細いのか、自分の弱点もおのずと見えてきます。

ホリエモンも言っていましたが、圧倒的な場数と、寝る間も惜しむくらいに考え続けるということが、最も大事な資質なのかなと感じています。

もちろん、わたしはまだ人生半ばで、寄り道してきた経験から苦労が絶えません。しかし、それは選択してきた道であり、当然の報いかもしれません。

 生涯に渡ってこの仕事をしていきたいと考えてる人は、そう多くはないのかもしれません。また、外から見たその仕事と、内に入って感じたその仕事は全然違うと思います。

先ほど苦労してるという話もしましたが、その分 自分が治したというアハ体験みたいな満足感もまたある仕事です。機械を操作している人からも、ありがとうという声もいただけることもあります。

また、人間の体もメンテナンスが必要なように、購入したら消費者任せというモノも多いので、日常生活でも「何で壊れたんだろう」、「ここをこうすれば直せないだろうか」、「壊れないように自分でメンテナンス計画しよう」、「なんなら自分で作ってしまおう」という発想になりました。

この仕事のあるべき姿に向き合えている時が、「天職だと感じた瞬間」かもしれない


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