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てんかん(癲癇)とテレビゲーム

今は発作もなくなり、
普通に暮らしていますが、
幼少期には所謂、小児てんかんで
たまにけいれん発作を起こしていました。

合わせて子供の頃から、
無類のテレビゲーム好きだった為、
テレビゲームがてんかんに、
どう影響するのかを肌で感じてきました。

幼い子供の多くは、
テレビゲームに興味があり、その中には、
てんかんの持病を持つ子もいると思います。

以下は、あくまで医療関係者ではない、
小児てんかん経験者の個人的見解です。

まず、てんかん発作誘発への
テレビゲームプレイの影響ですが、
これは経験上、影響があります。
症状や環境によって差異はあるでしょうが、
一定程度の影響があると思います。

単にテレビゲームをプレイすれば、
全てが悪影響を及ぼす訳ではなく、
いくつかの要因があります。
最初に示すのは画面の激しい明滅です。

過去にテレビアニメにおいて、
番組中の画面の激しい明滅をみた子供が
一時的にてんかん発作を引き起こして
昏倒するという事故がありました。

テレビゲームにおいても、
基本的な原因は同じだと思われます。

断続的な画面の激しい明滅が、
それを見るプレイヤーの脳に刺激を与え、
徐々に気分が悪くなったり、悪化して、
痙攣発作を起こすことがあります。
同様の経験は、
自分にも何度も経験があります。

この明滅ですが、
はっきりと認識できる明滅だけでなく、
ゲーム画面の書き換え速度も
一定の影響があったと感じています。

いわゆるFPS(Frame Per Second)と呼ばれる
一秒間に何コマの画面書き換えを行うか
という指標がありますが、これが低い場合、
高い場合にくらべて発作が誘発される傾向が
高かったと感じています。

昔のテレビゲームは、
ハード性能が低かった為、
このFPSが低い(例えば30未満)ゲームもあり、
脳がこの低速な画像の書き換えを、
一定間隔の明滅と同じように受け取って、
発作を誘発していたのではないか
と考えています。

更に、画面の明滅と同じように、
発作の誘発に影響していると、
自分が考えているのは3D酔いです。

最近のゲームの多くが、
3次元(3D)的な空間を画面上に
再現している反面、
実際には3次元ではない為、
脳は、その違和感に混乱して、
所謂、3D酔いという症状が発生します。

これはてんかんの持病とは関係なく、
発生するものですが、自分の経験では、
3D酔いの症状が酷くなり、
それによって結果的に
持病のてんかん発作を誘発したと
感じたことが何度かありました。

次に過度な没入感と継続的な興奮状態です。

これは複合的な要因の
一つだと思われますが、
あまりに良くできた
疑似的な3次元空間による過度な没入感や、
恐怖や緊張による
継続的な興奮状態が続く場合、
それが引き金になって
てんかん発作が誘発されることも
あったと感じています。

そして最後が長時間のプレイです。

ある意味、
これがもっとも重要なポイントですが、
先の画面の激しい明滅3D酔い
過度な没入感継続的な興奮状態は、
短い時間、あるいは少ない回数では、
いきなり発作につながる事は
経験上、多くありません。

しかし、連続的に長時間プレイすることで、
脳への影響が蓄積して、結果として、
発作を誘発する傾向があると感じています。

例えば、同じ60分プレイするにしても、
連続の60分と、
30分遊んで、30分休憩、
その後、30分遊ぶのでは、
体への負担や、
発作誘発のリスクも違ってきます。

放っておけば、子供は
体への負担等考えずに
際限なく遊んでしまいます。
親が一日のゲーム時間を、制限したり、
更に、例えば夕食の前後で分けて
遊ぶように指導する等すると、
不要なリスクを避けられる
可能性が高まります。

また、
子供とよく会話をして、
どういったゲームが、
気分が悪くなる等、子供にとって
不向きなゲームなのかを親が知り、
そういったゲームのリスクと、
距離の取り方を子供に対して
諭してあげる事も必要であり、
大切なポイントだと思います。



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