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糖尿病専門医試験受験のススメ①

えとえん

どうもみなさんこんにちは、えとえんです。
去る2021年10月24日に糖尿病専門医試験を受験し、無事に合格することができました!

せんもんいしけんってなーに!

そう思われた方のために説明すると、お医者さんがそれぞれの専門分野で3−5年研修して、専門能力があるよと世間に知らしめる試験のことです。

一言で専門医試験といっても、合格率90%の激あまホットチョコレートなものから、50%に満たない激渋青汁ストレートなものなど千差万別多種多様であり、糖尿病専門医はその中でも青汁寄りの平均合格率60%というわりかし難しめな試験なんです。

合格率60%ならそんなに難しくないんじゃない?日商簿記3級ですら50%だよ?」と訝しむ方もおられるやもしれません。

確かに数字上は高い合格率ではありますが、申し込みさえすれば誰でも受けることができ、試験に辿り着かない受験生が4人に1人いると言われ、ぶっちゃけガチれば20日で受かる簿記3級と違い、専門医試験は基本的に人生のほぼ全てをテスト勉強に捧げたお医者さん達が、寝食を忘れて、人によっては国家試験以上、人生で一番勉強したとも宣うような高密度・高純度で勉強し、それでも4割は落ちる

そんな厳しい試験なのです。

専門医不要論について

このように説明すると
「せっかく苦労してお医者さんになったのに、なんで更に辛い勉強をするんだい」
「たかが民間の資格、対して給料が上がらないでしょ」
「そんなことよりも美容に行ったほうが楽して稼げるよ」
という声がどこからともなく聞こえてきます。

専門医の資格は、あくまで民間の資格に過ぎず、取得したところで何か特別な手技ができるようになるとか、新しい薬が使えるようになるとか、女の子にモテるとか、そういったことは微塵もなく、正直いってただただ臨床をやるのであれば、純然たる国家資格の医師免許があればそれでいいんです。

給与については病院によりますが、大学病院などでは専門医はあって当たり前なので、給与に反映されないことが多いです。多少年収がアップしたり、いいポストに付けたりすることもありますが、資格維持のためにそれ以上の時間とお金を消費するので、実質はマイナスなことが多いです。

しかも最近は日本専○医機構が厚労省と手を組み、医者を一元管理し地方に飛ばそうと画策、さらに内科専門医を受けるためにはJ-Oslerという誰も幸せにならないシステムを生み出し、現在進行系で数多の内科専攻医を無間地獄に葬っている様相です。

なので、ぶっちゃけ若い先生方は早めに美容整形に行ってガッポガッポ稼いで、全部インデックスファンドに突っ込んでFIREしたほうが幸せです。いいね?

それか産業医になって労働衛生コンサルタントを目指すのもいいと思うよ!受験体験談纏めてるから読んでね!

最悪、フリーランス当直しまくってタネ銭稼いで医者の信用ぶん回して不動産王になるルートも楽しいかもしれないよ!

などと、他の道を勧めてしまってはタイトル詐欺になりますゆえ、ここからは真面目に糖尿病専門医になることの利点と、どうやって目指せばいいのかについて語りたいと思います。

糖尿病専門医になるメリットその1
医者界隈における身分証明書になる

医局の封建時代全盛期は、どの医局に属しているかでそのお医者さんの身分が証明されていたのですが、研修医制度が始まり、医局制度の崩壊ともに、そのお医者さんがどのような経験を積んできたのかということが一目で分かりにくくなってきました。

大学病院の医局で臨床に研究に教育にと働いている先生もいれば、市中病院で臨床バリバリな先生もいる一方、ハイポ病院でのんびりまったりな先生もおり、経歴を見ただけではその先生の能力を推し量ることは困難になりました。

そのため、「少なくとも一般的な臨床能力が担保されているだろう」という指標として、お医者さん内での共通認識として、専門医が重用されるようになりつつあります。

特に我らが専門とする糖尿病は、治療において病院としての機能(高度な医療機器など)がほとんど寄与せず、話をよく聞いて適切な薬を出しさえすれば(それが難しいのはさておき)、ひとまずは診療として成立するため、誰でも診れてしまう。
それゆえに患者さんが最適な治療を受けるためには、ある一定以上トレーニングされ、質が担保されているという身分証明が重要となってくるのです。

実際、総合病院からクリニックに患者さんを紹介しようと思ったときに、一番重要なのは、そのクリニックに糖尿病専門医がいるかどうか、これに尽きます。
糖尿病の治療薬は日進月歩であり、1年前は適応外だった薬が今はファーストチョイスというのが罷り通る世界なため、専門医でなければ安心して患者さんを紹介することができないという心理がどうしても働いてしまいます。

そのため、こと糖尿病に関しては、専門医の重要性がより一層増してくるのです。

糖尿病専門医になるメリットその2
医局に縛られない働き方ができる

メリットその1で解説したように、糖尿病専門医のいる医療機関には患者が集まります。糖尿病患者は上昇の一歩を辿っており、総合病院の糖尿病外来はどこもかしこもパンクしており、新規患者は2時間待ちなどザラです。

しかも、糖尿病患者は慢性疾患でかつ治癒しない病気であり、各種管理料や指導料が高めに設定されているため、医療経営的に非常に重要なポジションを占めているのです。

そのため、糖尿病専門医はどの医療機関も喉から手が出るほど欲しく、転職の際も有利な条件を引き出しやすくなります。糖尿病治療は外来がメインなので、専門医をわざわざ当直で消耗させるよりも、外来をバリバリやらせた方が病院の収益になるため、当直なしの交渉も可能です。糖尿病外来はDKAを引き当てない限り緊急入院が必要なことは限りなく少ないため、時間のコントロールも付きやすいです。

雇われの身は嫌だ!という人なら今ならまだ開業で逃げ切ることは大いにチャンスがあります。糖尿病外来は採血さえできれば他の医療機器はほとんどいらないので、精神科の次に身軽に開業ができます。しかも、全く知らない土地だとしても、専門医がなく、患者が潤沢な地域を選べば自然と紹介されてきます(近いというだけで専門医のいるクリニックに数多くの患者さんを送り込んだ覚えがあります)

そのため、医局にいつまでも所属し奉公をする必要がなく、専門医のライセンスと叩き上げのスキルがあれば医局を辞めることができます。まさに内科版ドクターX!

……とまでは言いませんが、医局という後ろ盾がなくなってもある程度自由気ままに生活することは可能です。

糖尿病専門医になるメリット3
糖尿病診療に自信が持てる

前述の通り、糖尿病診療はクオリティを求めなければ誰でもでき、血糖コントロールの大部分は患者さん本人の生活習慣(食事・運動療法、薬物アドヒアランス)に左右される上に、高齢化に伴いコントロール目標も一律ではなくなっているため、患者さんに最適な診療を行えているかどうかの明確な判断基準がなく、医師本人も治療方針に迷いが生じることは多々あります。

その時、自分が専門医であるということは大きな自信に繋がり、判断がぶれることなく診療することができます。さらに、これは試験の合否に関わりませんが、専門医試験を終えたあとすぐの外来において、患者さんへの指導をする際、試験前はあやふやだった記憶が試験勉強を経ることで確実な知識へと変貌を遂げており、明瞭快活な指導になりました。

また、他科の先生とのディスカッションにおいても、意見が知識と経験に裏付けられたものとなるため、充実した議論を重ねることができます。糖尿病内科は放射線科や病理医のように、Doctor’s Doctorのポジションになることが多く、他科の先生方から助言を求められることが多いです(しかも結構上の先生から)。その時に専門医を持っていれば、対等な立場で物怖じすることなくコメントができ、病院内で確固たるポジションを形成することが可能です。

じゃあ実際どうしたらなれるの?

ここまでつらつらと専門医のメリットについて書いてきたわけですが、

「んなこたぁわかってんだよ!このヘビ野郎がぁ!」

と、心の中のアニキが衝撃のファースト・ブリットをかましてきそうなので
今回どうやって糖尿病専門医試験に合格したかについて、次回以降に丸っと全部をお話ししたいと思います。今日はひとまずこの辺で、ではでは。

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