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ギャングになって酒を売れ「City of Gangsters」(有志による日本語化有)

Epics Games Storeにて2/10まで無料配布していたこのゲーム、知名度とかSteamでの評価の割には結構面白いので紹介しておく。

City of Gangsters
https://store.epicgames.com/ja/p/city-of-gangsters-6c2974

私は英語のままプレイしたので本記事中のスクショも英語だが、有志による日本語化ファイルが存在する。

https://github.com/tomo9878/city_of_gangser_japanese_translate

どんなゲーム?

ジャンルとしてはRPG寄りの経営ゲーム。禁酒法時代のアメリカを舞台に、酒の密売や賭博場の経営でギャング組織を拡大していく。基本的にはひたすら儲けを増やすゲームだが、その中で「貸し」と「コネ」を活用していくのがギャングらしくて面白い。

酒を作って売る

このゲームは禁酒法が施行された1920年1月から開始し、それが撤廃された1933年で終了となる(続けることはできるが勝利条件の対象外)。みかじめ料や倒した敵ギャングからの入手は微々たるものなので、必然的に酒の密造と販売が主な収入源となる。

酒を作るには対応するスキルを覚えて製造設備を建て、原料を買い付けなければならない。売るのも堂々とはできないので、人づてで販路を開拓するか、密売所?(Bootlegger)を建設する必要がある。

アイテムの売買は、実際に現金や物を車に積んで持って行って、取引が済んだら持って帰らないといけない。序盤は効率も考えながらの積み下ろし操作になり、まさに自分一人での商売という感だが、部下が増えてくるとルートを指定して自動で回せるようになる。

ゲームバランスの都合か、合法なはずの原料の確保が一番難儀だったりする。ワインの作り方しか知らないのに葡萄果汁が近くで売ってないとか。というか陶器とか瓶が足りないことが一番多い気がする。

ギャンブル漬けにして身ぐるみ剥ぐ

メインが酒の密売だとするなら、サブは賭博場の経営だろう。賭博を運営すると客の勝ち負けによって資金が増減し、大勝ちされるとごっそり持ってかれて追い出しても取り返せない。平均ではおそらく赤字だ。

ではなんのためにあるのかというと、大負けした客から借金のカタとして様々なものを取り立てられる。運送トラックは店では買えないし、建物の支配権は保有数に応じて価格が上がっていくため、ただ金を稼ぐだけでは調達が難しい。中盤以降これらを入手するための投資だとも見なせる。他にも酒を大量に要求したり、親族全員に恩を売るなどもできる。

終盤スキルが揃い切った状態だと、賭博場の周囲で毎週のように取り立てのイベントが発生するようになり、建物と車はいくらでも手に入るようになる。ゲーム的にはちょっと邪魔くさいのだが、街を丸ごと乗っ取っていると考えればギャングらしいかもしれない。

「貸し」を作って社会に食い込む

このゲームでは、組織を拡大するために"Favor"の活用が避けて通れない。辞書で引くと「好意」とか「親切」とか出てくるが、友達のよしみだったり弱みを握っているようにしか見えなかったり、ひっくるめて「貸し」と訳すのがちょうどよさそうだ。

貸しを作った相手には様々な事を頼めるが、特にフロント(事務所?)になってもらうのと、メンバーの勧誘はこれ以外に方法がない。いずれも信用できる相手かどうかが大事で、金だけで買えるものではないということだろうか。

面白いのが貸しの作り方で、頼みごとを引き受けるほかに、酒を売るだけで弱みを握れたり、既に貸しのある知人からの紹介で連鎖的に発生したりもする。こうして地域の住人と関係を深めて、組織に取り込んでいくというわけだ。

当然のことながら、ギャングとは日本でいうなら暴力団・ヤクザであり、拡大すれば社会にとってマイナスになるし、関わった本人も間違いなく不幸になる。ヤクザに貸しを作ってはならず、頼みごとをするとか違法なブツに手を出すとかダメ絶対というのがよく分かる(「地元のチンピラから守ってくれ」というのもあるのがまた…)。

コネを把握して立ち回る

ギャングや警官含む住人全てにプレイヤー組織(全メンバー共通)への好感度と相互の人間関係が設定されている。好感度は取引の可否に影響し、人間関係を通じて連動するようになっている。

例えば警官に賄賂を払わないと頻繁に捕まってかなり鬱陶しいのだが、いきなり話しかけても信用されない。本人と親しい住人に貸しを作り、そこから紹介してもらって好感度を上げて初めて可能になる。

また地元のチンピラにも親族が設定されていることがあり、商店に嫌がらせ(一時的に利用できなくなる)をしていて邪魔だったので殺したら親族の経営する店と取引できなくなった、ということも。

慣れてくると最低限の確認や単純な作業で済み(殺す前の親族チェック、および知人からの紹介と酒の安売り)、ゲームシステムというよりは雰囲気・フレーバー的な要素なのだが、想像すると結構面白い。貸しのシステムと合わせて、なんで暴排があるのかが分かるゲームである。

無料入手した人はぜひ

私はここ数週間ずっとハマっているのだが、基本的に無料配布されたゲームというのは型落ちか評価がお察しで、本作もSteamでの評価を見ると「やや好評」となっている。

まだマップリスト一番上の「Chicago」しか遊んでいないのだが、初期配置によって難易度の上下が激しく、良マップを引けばぬくぬく商売できる一方、逆に初期スキルと周辺の商店が噛み合ってないと無理ゲーにしか見えない。買収した警察から銃を横流ししてもらえば地元のチンピラ駆除と自衛には十分で、開始の時点でライバルギャングから遠ければ最後まで本格的な抗争にはならない。

そもそもシステムが全体的にシンプルで、一番重要なのは酒を絶やさず作って売ることなので、飽きる時にはあっという間だろうし、別にカタギでも一緒じゃ?という気もする。正直定価で買うほどではないかなと。

それでも金がどんどん増えていく様は中毒性がある上、ヤクザの恐ろしさも想像できるゲームなので、無料でゲットできた人はやってみてほしい。とりあえず恩を売ってくる相手には要注意だ。

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