いまどき、いやもっと昔から変な「無料でこのクオリティは凄い!」という言葉

10年ぶりにフリーゲーム漁った感想の話。

私がPCやPCゲームをやり始めた20年前の頃は、PCゲームというとパッケージの商業作品かフリーorシェアウェアがほとんどで、フリーゲーム(アマチュア無料ゲー)はその中の一角を占めていたように思う。月刊PC雑誌の付録CDに入っていた作品を片っ端からプレイしていたものだ。

その後、基本無料ゲーの台頭などでフリーゲーム衰退論が語られるようになってからも、自称クリエイター志望として注目すべき作品がないかはチェックしていた。ちょうど10年前ぐらいまでの事になる。

それが社会人になってから、ほとんどSteamで名の売れたインディーズ作品と、あとスマホの対戦ゲーだけやるようになって、当時でいうところのフリーゲームには全然手を出さなくなった。

一方自分ではゲームを作っていて、金を取れるとも思わないので無料で公開し続けるつもりだ。ブラウザなので昔ながらの形式とはちょっと違うのだが、広義にはフリーゲームだろう。

それで市場調査というわけでもないが、遊んでもらう上で自分が全然やらないのもなんなので、どんなもんがあるのか久々に見てみた。ざっくりいうと絶対的には10年前と(20年前とも?)そんなに変わっていない。そして、相対的な価値でいえば当時よりも下がっているのではと思う。

まず、面白い作品自体は昔と同じくらい作られていると感じた。紹介サイトで取り上げられている作品から自分に合っていそうなものをプレイしていけば、十分楽しめるものが見つかるだろう。だいぶ前から衰退論が語られていたのでもう死に絶えたのではとも思っていたが、絶対的には特に変わっていないように見える。

では相対的には、というのは何と比べているのかだが、毎月のようにリリースされる良作インディーズゲーム達だ。かつては、商業作品とは異なる独特のゲーム性がフリーゲームの一つの特徴であったが、低価格でバラエティに富んだ作品がリリースされるようになり、クオリティそのもので見ればさすがに有料のほうが上だ。「大作とは違うゲーム」を求めるならフリーゲームをやる必要がない。

こうなると、残るフリーゲームの特徴は「無料であること」、となってしまうのだが、これは10年前の時点で無料コンテンツが溢れており、ほとんど意味のないものだった。さらに言うなら、もっと前から作る側が本来やりたいことは「自分の作品を出したい」「大手が作らないから作る」のはずで、金を取ろうが取らまいがモノは同じだろとも思う。

そう考えると、「無料でこのクオリティは凄い!」って褒め方、何とかならないのかと思えるのだけど、検索したら流行りのYouTuberもこういう表現を使っている。せめて「アマチュアで」「個人制作で」とかにしてくれないだろうか?まぁ私自身に関しては本業がソフト屋(しかもアプリやGUI寄り)な上、学生時代ずっと勉強してこれなので褒めるに値しないと思うけども。

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