見出し画像

知識を身につけるには体験が不可欠

こんにちは。エデュサポです。

勉強しているのになかなか知識が定着しない。
何度説明しても理解してもらえない。
何度聞いても、何度読み返しても全然理解できない。

こんな経験のある方は多いと思います。もしかするとそれ、体験不足かもしれません。

今回は、学びには体験が大切だというお話をします。

私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。

これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、子どもの学びについて考えていただけたらとても嬉しいです。

座学には限界がある

椅子に座って教室の中で勉強する座学はときどき悪者扱いされますが、座学はとても大切です。決して悪者ではありません。時間効率の高い、素晴らしい学習方法です。

ただし、座学だけでは学びは完結しません。これは多くの方が実感していることだと思います。

「勉強」といえば、この「座学」のことを思い浮かべると思いますが、子どもたちは生活や遊びの中でも多くのことを勉強しています。

鬼ごっこからの学び

画像2

小さい頃はよく鬼ごっこをしたと思います。鬼ごっこという遊びの中で、子どもたちはいろいろなことを学んでいます

自分が鬼の時、どのように追いかければ相手を捕まえられるか。自分が逃げている時、どのように逃げれば捕まらないか。ただ走っているだけではなく、そういった戦略を考えます。

しばらく鬼ごっこで遊んでいると、目移りせずに一番近くにいる子に照準を定めて追いかけ回すのが一番効率が良いことに気づきます。

しかし、それでは面白くないので、今度は集中狙いできないように新しいルールを考えたりします。鬼を2人にしてみたり、氷鬼をやってみたりです。

ルールを変えれば集中狙い戦略が最適解ではなくなり、今度はまた新しい戦略を考えます。

そして段々とルールは複雑化していき、ドロケイ(ケイドロ?)のような遊びも楽しめるようになっていきます。

もちろん子どもたちはそんなに真面目に考えているわけではありません。遊んでいる中で自然と頭を使っています

鬼ごっこを例に出しましたが、子どもたちは他のあらゆる体験の中で、自然と頭を使って勉強しています。

座学と体験は掛け算になる

もちろん遊んでいるだけでは駄目です。一方で、座学だけでも駄目です。体験と座学が組み合わさって、確かな学びとなります。

その相乗効果は「足し算」ではなく、「掛け算」となります。

一例として、中学の時に習った植物の単元のお話をします。みなさん、植物の分類って覚えていますか?

花びらがくっついている植物が合弁花で、花びらが離れている植物が離弁花みたいなやつです。ご興味ある方のために参考URLを貼っておきます。

中1の理科で学ぶ内容なのですが、覚えることがすごく多いです。

例えば、単子葉類と双子葉類の分類では、「葉・根・茎」の特徴を覚えます。

単子葉類は葉が平行脈、根がひげ根、茎の断面は維管束がバラバラに配置されています。

双子葉類は葉が網状脈、根が主根と側根、茎の断面は維管束が円形に配置されています。

こんな分類も何種類も覚えます。さらに、それぞれの分類の具体的な植物も覚えなければなりません(単子葉類はトウモロコシとか、裸子植物はイチョウとかです)。

私はこの単元の内容はすぐに覚えられました。ちなみに私は暗記が苦手です。

ところが、子どもたちに教えていると全然覚えてもらえず、何度も何度も同じ内容を書いて練習してもらうことになります。

体験から知識へ

画像3

私が中1の植物の単元が得意だった理由は単純です。私は田舎育ちで、野山を駆け回っていたからです

野山を駆け回りながら、植物のことを考えていたわけではありません。勉強していたという意識も全くありません。

でも、授業中に先生の話を聞いていると、「あー、今話していることはあそこに生えてたあの植物のことだなー」と、自然と授業と体験を結びつけることができていました。

「平行脈は単子葉類の特徴」と授業で習えば、「じゃあ近くの畑に生えてるトウモロコシは単子葉類だし、田んぼの稲は単子葉類だし、除草作業の時に手がスパッと切れるあの憎きススキも単子葉類だな。」と、どんどん知識がつながっていきました。

「花びらがくっついているのが合弁花」と授業で習えば、「学校の帰り道に蜜を吸ったツツジは合弁花だなー。」と、自然と体験を思い浮かべながら知識へと変換していました

知識から体験へ

逆に、既に知識としてあるものを体験して、初めて「ちゃんと理解した」と感じることもあります

東大寺って行ったことありますか?奈良の大仏とか、南大門にある運慶・快慶の金剛力士像が有名なお寺です。

中学の歴史の授業で習って、高校入試のために一生懸命覚えた記憶があります。写真で問われることもあるので、教科書や資料集の写真を覚えたりもしました。

知識としては持っていたのですが、初めて本物を見た時は度肝を抜かれました。

遠近感がバグるくらいの大きさだったのです。この感動と感覚を文字や写真でどんな説明しても絶対に伝わらないので、まだ見てない方はぜひ実物を見に行ってください。遠近感がバグる体験をしてみてください。

私が初めて東大寺へ行った時、既に高校入試から20年程経っていたのですが、この時に初めて「中学校で習ったことはこういうことだったのか。」と、深い理解ができました。

まとめ

体験したことを知識にすること。逆に、知識として持っているものを体験すること。体験と知識の掛け算ができるのが学びの理想です。

「勉強」というと、机に向かって座って静かにといったことをイメージしがちですが、遊びや体験も勉強です。

教材や塾だけでなく、子どもにどれだけ多くの体験の機会を与えてあげられるかも、大人はよく考えてあげる必要があります

科学館へ行ってみませんか?野原へ行ってみませんか?川へ行ってみませんか?海へ行ってみませんか?星を見に行きませんか?きれいな石を拾いに行きませんか?絵を描きませんか?歌を歌ってみませんか?

そういったことが、必ず子どもたちの学びにつながります。もちろん、あなた自身の学びにもつながります。

子どもと共に体験し、子どもと共に学びにつなげられたら素敵だと思います。

【あわせて読みたい】


エデュサポのLINE公式アカウントでは、勉強を頑張る子どもをサポートしている父母・塾講師・先生に向けて、役立つ情報を無料で定期的に発信しています。

画像1




最後まで記事を読んでいただきありがとうございます!とても嬉しいです!サポートをいただけると大変大きな励みになります。