マシュマロ回答(大学院の専攻)

フォローして頂きありがとうございます✨​嬉しいです🥰​

ご質問頂いた「大学院では何の専攻を選んだか」に加え、
出願してからちょうど5年ということもあり良い機会なので、余計な情報かもしれませんが「どのように大学を選んだか」もつらつらと振り返ってみます。


(1)何の専攻を選んだか

私の専攻は移民研究修士(Master of Arts in Migration Studies)です。

大学院に進学した元々の理由は「将来は国連で難民支援に携わりたい。そのためには修士号が必要」だからであって、打算的ながらMigration StudiesだとかRefugee Studies等の分かりやすい学位がほしかったので、専攻選びに迷うことはありませんでした。

(2)どのように大学を選んだか

以下のとおり、いくつか段階を踏んで決めました。

【第1段階:日本の大学?海外の大学?】

●日本には移民研究や難民研究の学位を取ることができる大学が1つもない
海外しか選択肢がありませんでした

【第2段階:どこの地域?】

●移民・難民研究というのは非常に学際的な学問なのでどこから切り取るかにもよるが、「難民研究」という観点から見れば、一般的には第2次世界大戦後~1951年の『難民の地位に関する条約』採択あたりから、ホロコーストの舞台となった欧州で急速に広まった学問であるとされている
●従って、欧州以外だと大学の選択肢が非常に少ない
欧州に行くことに決めました

※イスラエルのテルアビブ大学も一瞬考えましたが、私は難民問題に関心を抱いたきっかけがパレスチナ問題だったので、それでテルアビブ大学という選択は微妙すぎるなと思いました(イスラエルとパレスチナで1年ずつ過ごすとかならまだしも)。
※米国は学費が高すぎるのと、移民研究と言っても米国「に」来る移民、さらに国の歴史を考えればforced migrationではなくlabour migrationに関する研究が中心になるはずで、自分の進路希望を考えるとナシという結論になりました。

【第3段階:どこの国&どの大学に出願する?】

ここからは出願校を決定するギリギリまで迷っていました。

というのは、
私が学部に入学した2015年に欧州難民危機が発生し、EU内で「責任の分担」という概念がしきりに議論され始めたこともあり、特に強硬な姿勢を取っているハンガリー等の中東欧の難民政策に高い関心を抱きました。
学部の卒論でもハンガリーの難民政策を事例に「責任の分担」を扱ったので、ハンガリー、チェコ、ポーランドあたりの大学に進学してその研究を続けることを真剣に検討していました

一方で、
欧州の中で移民・難民研究が最も盛んなのは英国であって、上述のとおり私は難民問題に関心を抱いたきっかけがパレスチナ問題だったので、その元凶たる英国で学んでみたいという想いがありました。
そして「開発学」という観点から見れば正直に言って英国一択であり、あまりにも知名度の低い大学に行って大丈夫かという不安もありました。

①とりあえず片っ端からリストアップ

とにもかくにも検討材料がないと比較できないので、とりあえず移民・難民研究の修士課程を置いている欧州の大学を片っ端からExcelでリストアップしました。
このリストの時点では英国、ハンガリー、ポーランド、チェコ、デンマーク、ベルギー、オランダ、アイルランド、スペイン、スウェーデンが入っていました。

②様々な角度から絞り込み

このリストの中から世界ランキング、知名度、コース内容、取りたい授業があるかどうか、学費、IELTSの要件、成績要件等を条件に絞り込んだ結果、
英国とデンマークにまで絞られました(急にデンマークが出てきましたが、コース内容が非常に良く、世界ランクも申し分ない大学がありました)。

③留学エージェントに相談、自分のレベル感を把握→出願する学校を決定

絞り込んだはいいのですが、実際に出願する学校を決定するにあたり
●日本の大学受験と違って偏差値等の基準が存在しないので、自分のレベルだとどの程度の大学なら合格できそうなのか見当もつかない
●大学によって何を重視するのか傾向が分からない(学部の成績?これまでの経験?今後の展望?)
この2点で非常に困りました。

ですので、私はこの時点で留学エージェントのbeoさんに連絡を取り、自分で作ったリストを見せつつチャレンジ校2校、妥当なレベル感の学校1校、滑り止め1校に出願することで決定しました(こんなリストを作ってきた人は初めて見たと言われましたが)。
この4校のうち3校が英国、1校は英国の大学ですがキャンパスはブリュッセルでした。

※デンマークはどうしたという話ですが、beoさんは英国の大学を専門としており、デンマークはサポート対象外なので自分で勝手に出願しようとしたところ、書類手続きが思ったより煩雑で手間取っているうちに英国の大学の合格が出始めたため、面倒臭くなり結局何もせずに終了しました。
※ちなみにbeoさんに教えてもらった私のレベル感というのは非常に的確だったと思います。滑り止め1校は出願した3日後に合格、妥当なレベル感の学校も合格、そしてチャレンジ校2校のうち1校に合格を頂くことができました。

【第4段階:どの大学に進学する?】

合格した3校のうち1校は滑り止めなのでナシとして、
残る2校のうち、先に合格が来た妥当なレベル感の学校のコース内容を最も魅力的に感じていたので、迷わずそこに進学するつもりでした。

しかしその後チャレンジ校からも合格が来て、その分野で世界ランキング1位の大学なのでまさか合格するとは思っておらず悩みましたが、まあ世界ランク1位の大学に行って困ることはなかろうという安直な理由で結局そちらに進学しました。
そしてその選択は正しかったと思います。

出願するときに提出したPersonal Statement(志望理由書)には、相も変わらず「中東欧の難民政策を事例に『責任の分担』を研究したい」と書いていたのですが、後から研究テーマが全く変わったのです。
「責任の分担」はそれを扱う授業を取るに留まり、修論はもっと文化人類学寄りのテーマ(「難民」というワードの誤用がもたらす、日本社会における難民の周縁化)について執筆しました。
これは自分の修了したコースのカリキュラムが非常に柔軟だったからできたことで、もう1校に進学していれば不可能でした。

さらには、学閥とまでは言いませんがやはり国際協力業界に入ってみると自分の卒業した学校の卒業生が非常に多く、ネットワーキングという点において助けられています。
知名度や世界ランキングのみで大学を決めてはいけませんが、それを侮ってもいけないと思います。


長々と書いてしまいましたが、お役に立てば幸いです。
他にもご質問がありましたらいつでもご連絡ください。

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