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物件写真の「意味」を読む。

中古物件、とりわけ地方の田舎物件ともなると、よほどの金持ち相手の物件を除けば、ほとんどが「ほぼ廃墟」のようなワケアリ住宅レベルの空き家ばかりです。

私達、空き家ハンターどもは、安くて自由で安全な物件を求めてさまよっていますが、不動産会社からすると、利益の薄い格安物件の類に営業リソースを浪費させられないので、効率よく売りさばいていきたいと思っているようです。なので、格安物件は市場に出す前に、できるだけ同業者間で売買しようとします。それでも売れ残った物件が中古不動産として情報サイトなどで私達の下にさらされるわけですが、同業者にも買ってもらえなかったような物件ですから磨きのかかったワケアリ物件だったりするわけで、それらを見極めるのに販売価格もそうですが、掲載写真に集中して「意味」を読み解くことが肝要です。

不動産会社によっては、地方の空き家、しかも仕入れ値はタダ同然のものだったり、仲介で少しでも儲かれば良いと思って扱った中古の売れ残りですから「もはや、やる気ゼロ」の物件も多くあります。そういう物件はたいてい間取り図だけだったり、載せていても外側の写真1枚みたいな明らかに手抜き掲載のものなので、見ないで買うくらいの覚悟がなければ問い合わせるだけ無駄なケースが多々あります。

いっぽう、まだ伸び代がある物件は扱いが違って担当者が熱心に写真をアップしている場合があります。その写真をヘラヘラしながら眺めていると見逃してしまうかもしれないのが、担当者からの重要な「メッセージ」です。

私の経験上、ボロい空き家は予め「致命的箇所」が、ちゃんと写真に写っているものです。家の全景写真もよく見てください。たとえば見切れた家の敷地ギリギリに隣の屋根が見えていたら、その物件は崖条例に相当する物件かもしれません。そのうえで備考欄など「セットバック・要」などの記載があれば、この家が現在崖条例に引っかかっている可能性があるとも読み取れます。

本来「当物件は崖条例に制定される前、ひな壇へ建てた家のため現在は条例違反状態ですが再建築までは住むことができます。しかし現状、地盤から崩れて家が傾くかもしれませんし、段下の家族が下敷きになって死ぬかもしれません」と書いてくれるのが親切なのかもしれませんが、崩れるか崩れないかわからない物件をそこまで悪く言ったら売れるものも売れなくなってしまう。

「じゃ、黙って売ってしまおうか」、というのを防ぐために宅建法があって、崖条例などについては販売時に重要事項説明で買い主側に説明義務があるから騙すわけにはいかない…なので、できるだけ、事情をわかっている人に物件を案内したいという思いを込めて、あえて物件の悪い部分を写真の一部に見えるようにしているケースを時々見かけます。それに私は担当者の「愛」を感じずにはいられません。もちろん、ただ写り込んだだけかもしれないけど。

次回は案内担当者に対する傾向と対策について考えてみたいと思います。


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