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「答え」のない世界を生きていく


4月。
新しい学年が始まりました。
それだけで学校の中の空気感は
ガラリと変わり、
私も気持ち新たに職場に立っています。

新1年生の初々しさ。
本当にかわいい。
教室の中がまだ新しい制服の匂い。

一方でこの3月まで、1年生だった2年生は
もう、ずっと前から2年生です!っていう顔して
堂々と歩いていて「おっ!」って感じ。

やんちゃな男の子たちは
さらにやんちゃ度アップ^^
進級できたのが嬉しいからって
ロッカー、壊すなよ〜。

3年生に至っては
春休み前より、ぐっと大人になっていました。

去年は新学期早々
髪をオールバックにしてきたり
ちょんまげみたいに結えてきて
昇降口で、先生たちとなんやかんやと
揉めてた男子が

髪を切ったり
普通のお兄さん的な髪型になっていて
びっくり!

進路を考え始めたからか
それとも、精神的な成長からなのか

外に向けられていた「尖り」のエネルギーが
うちに回収され
静かな「自信」に変わっているように
みられました。

高校生の一年間って
ものすごい変化をとげるのだな。

そして、私自身も2年目。
去年よりも学校の空気感に馴染んできたなぁと
思います。
去年は気がつかなかったものが
色々と入ってくる。

その一つ。
年度初めの先生方の自己紹介。

校内の教室をぐるぐる巡回していると
生徒に向けて、自分の人生を
語っている先生方が結構いて。

去年もしていたんだろうけれど
多分、去年の私は緊張してて
内容が入ってきていなかった^^
覚えがない…。


自己紹介を聞くと
先生方はみんな個性豊かで
波瀾万丈な人生を送られていて

そんな話はとても楽しく
ついつい足を止め
最後まで聞き入ってしまいます。

例えば
自動車整備をしていた父親が
いつも油だらけの格好で
それが嫌で嫌でしょうがなくて

そんな父親から逃れるために、
バイト代、50万を貯めて家を出た先生や

ブラック企業やパワハラ上司から逃れるために
仕事をやめて無職になって
困り果てた末に教師になった先生。

去年、何かと授業の合間に
クレヨンしんちゃんの映画を
生徒に見せていた先生は

クレヨンしんちゃんへの愛を語り
さらに、しんちゃんワールドから学ぶ
仲間のあり方を熱弁。

この数日の先生方の自己紹介タイムは
普段の学校生活では
なかなか知ることのできない

先生方の背景を知るための時間にもなっていて
私にとって、とても貴重な時間となっています。

一年かけて作り上げてきた
先生方のそれぞれのイメージを
修正そして上書き^^
先生方のとの距離が縮まり
深まっていく感じです。

先生だって人間で
これまで背負ってきた人生や
事情は、一人ひとり違います。

先生方一人ひとりの背景を知り、
理解を深めることで

昨年度よりも
生徒と先生の心をつなげること…
よりよい触媒として
機能できるようになるのではと
楽しみになっています。

そんな私も
スクールカウンセラーとして
2年目になりました。

この一年で感じたことを
書き連ねておくと…


学校カウンセリングという場は
生徒たちが右へ左へ揺れ動きながら
成長していく営みの場で

その中で生徒たちが
豊かに体験を積み重ねていけるよう
関わっていくのが、
私たち、スクールカウンセラーの仕事。
何か「正しい」「答えを与える」こと
「導いていく」ことではない。

教育という
「教え、導く」という現場の中で

「コスモス」がコスモスの花を咲かせ
「ひまわり」がひまわりの花を咲かせるように

個体としての
子どものいのちのありようのままに
心が動き、変化していけるように
見守り、支えるということ。

心理臨床は一見すると
教育とはベクトルが反対向きのようにも
見えるけれども

いかに学校文化の中に
個々のいのちの働きを
融合させていくのか

その視点をもちながら
先生、子どもたちと関わっていく。


人生という旅の途中を駆け抜けている
生徒たちの傍らで
答えあわせなんてできない現場で悩み、
迷い、共に揺れながら
2年目を生きていきたいと思っています。

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