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【MEBIUS WORLD】「場所」が変われば、「関係」が変わる。

【MEBIUS WORLD】

僕は、本と人との出逢いから、メビウスの全てを学んだ。
自分の気持ちが高まる物語(HI-story)、
それを人は歴史と呼ぶ(history)。

◎「場所」と「関係」



『場所が変わっても、人間関係は変わらない』ように見えるが、場所が変わると、関係が変わる。


類は友を呼ぶ。それは、場の力と関係している。

不思議なことに、新しい時代のクリエーションが生まれるとき、次の時代のムーヴメントが起こるとき、いつの時代も、同じエネルギーを持った、沢山の人がつながっていて、必ず、同じ場所で何かをしている。

時にそれは、全盛期の「平凡パンチ」のような雑誌という場であったり、「ムゲン」のようなクラブであったり、「トキワ荘」や「同潤会」といったアパートだったり。

「明治維新」のような一見大きなムーヴメントも、主要な人物は、全員、「京都」という場でつながっていた。「ヌーベルバーク」や「ビートジェネレーション」にも、すべて、ある中心となる場が存在していた。

僕自身、北海道から東京に出てきて、人間関係が9割変わり、
大学を卒業して、会社に入社して、付き合う人が9割変わり、
会社を辞めて、独立して、また、出逢う人々が9割変わった。

実際、人は、場所が変わることで、人間関係も大きく変わる。

「人が変わる」ということには、「場の力」が大きく影響しているのだろうと思う。

いつの時代も、次代を生み出す新しい萌芽はひとつの場所に集っている。

なぜか、想いを共有する人間は同じ場所でつながっている。

はじめに「場」ありき。

歴史的に見ても、新しい何かが生まれてくる時期には、いつも「場」が最初にあった。

例えば、まだ、漫画を書くこと自体が不良行為で、親から泣いて止められるような時代に、手塚治虫、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、園山俊二、つのだじろうなど、その当時は、無名の日陰者たちが、なぜか、ひとつのアパートに集まり、お互い、刺激を与えあっていた「トキワ荘」という場。

例えば、脱藩浪士などのドロッブアウト組が白い眼で見られていた幕末の時代に、敵味方、役職や立場は関係なく、なぜか、後に明治維新を創り出すほとんどの人々が出逢い、つながっていた「松下村塾」や「亀山社中」といった学校のような、サークルのような、会社のような場。

例えば、60年代、都心をまだ都電が走っていたような時代に、三島由紀夫、安部公房、黒沢明、岡本太郎、小沢征爾、篠山紀信、ビートたけし、坂本龍一、村上龍、松任谷由実など、なぜか、まだ無名時代の不良たちの共通のたまり場となり、世界を旅してきた人たちが様々な情報交換を行うために集い、日本の最新の文化を発信するメディアのような役割を果たしていた六本木の伝説のイタリアンレストラン「キャンティ」という場。

フランス革命時代のサロン、ヌーヴェルバーグの時代のハリウッド、ネットベンチャー発祥時のシリコンバレー、ビートニック時代のニューヨークなどなど、イノベーション精神に溢れ、新たな時代を創っていくようなクリエイティブな人たちは、なぜか、ひとつの場所に集まり、なぜか、皆、友達や仲間としてつながっている。

今の時代も、きっと、それは、様々な場所で、連綿と続いていることだろう。まずは場ありきで始まった芽のようなプロジェクト。告知もほとんどせず、限られたところでしか伝わっていないのにもかかわらず、おそらく、環境も役割も生い立ちも違う、ただある想いを共有する同志のような人々が、なぜか偶然と必然の縁で結ばれ、なぜか自然につながり、集ってくる。そんなプロジェクトが、きっと、今日も生まれているのだろう。

「イノベーションは縁のマッチングで昇華する」

最近、イノベーションについて、考えたり、話したりすることも多いが、個人的には、イノベーションの鍵とは「新結合・融合であり、それは人と人とのマッチングに尽きる」と考えている。きっと、全てのイノベーションは、縁を通じた、人と人との融合から始まり、生まれくるのではないだろうか。

withコロナという時代の今、この場というチカラが生みだす「イノベーションのかたち」は、未来から眺めたとき、どんな情景に写っているのだろう。

いずれにせよ、その姿は、自分も含め、ひとりひとりの意志と、人と人との触媒とハタラキによって、浮かび上がってくるのだろう。




【エッセンシャル出版社・価値創造部】

エッセンシャル出版社の公式部活「価値創造部」。
自分を、人生を、世界を、学び遊びながら探求し、
「次代の物差し」という価値を創造していくプロジェクト集団です。



想いを込めて作った書籍を応援してもらうことに繋がり、大変嬉しく思います。 また本が売れなくなっているというこの時代に、少しでも皆様にお伝えしたいという気持ちの糧になります。