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【出版のミライ⑰】音楽業界の変遷から考える出版業界の今後

本日のミライ会議は、音楽業界の変遷をヒントに、出版社、書店のミライを考えました。結論として、いろいろな業界の方が、ソーシャルディスタンスや自粛期間という状況を経て、オンラインの活用が加速化した今、ビジネスモデルをゼロべースで考えていかなくてはいけないという日が来ているという認識をしました。

こんにちは!エッセンシャル出版社の小林です。

私が、”本づくり”をしていく上で、日々、どのようなことを考え、どのような目的で本をつくっているか、記事風に残していきたいと思います。

【プロフィール】

大学卒業後、年中~小学校6年生までの子を対象とした塾、花まる学習会に入社。将来メシが食える大人になること、魅力的な人になるということを教育理念の事業で、授業や野外体験の引率などを行う。授業など子どもたちに関わる傍ら、広報部、講演会事業、ブロック責任者などあらゆる業務にも携わる。現在はエッセンシャル出版社で、本づくり、広報など、出版業に関わる全てに携わる。
エッセンシャル出版社: https://www.essential-p.com/

Newspicks/落合陽一さんのyoutube番組での「音楽体験・音楽業界の変遷」がテーマの回。
その中で、withコロナの時代の音楽業界の変遷の兆しの話を通して、「音楽体験」の可能性と価値についての話が出ていました。
私たちも、「紙の本」や「本(紙、電子)が売れること」にだけ焦点をあてて考えるのではなく、読書体験の変化について考えたり、その変化に伴って出版社にできることは?ということに焦点をあてて考えたりしていく必要があると思いました。

音楽業界で、レコード→CD→ネットで音楽を聴くという風に、手段・ツールが変わってきているということは、出版社にとっての紙の本も、今、徐々に電子書籍に変わり、今後、更に別のものに形を変えていくことも大いにあり得るということです。

さらに、音楽業界では、ユーザーの嗜好として、ネットで音楽を聴く→AIが選曲したテーマ別のプレイリストを流す(例えば、「気持ちをあげたいときに聴く音楽」といったテーマ)など、ユーザーが、流れている音楽のアーティスト名や楽曲を知ることなく、音楽を聴き、楽しむといったユーザー体験の変化も起こってきています。(もちろん、自分の好きなアーティストの曲を聴く、楽しむとか、生演奏、ライブの価値がなくなったというわけではありません)

この事例を、出版に当てはめて考えてみると、その著者のこのタイトルだから買う→ちょっと読んでみて、聴いてみて、映像を見てみて、誰の本かは知らないけど、よさそうだから買うというようにユーザーの価値観・体験が変わっていく可能性もあるのではないか?と思いました。

また、基本、音楽には「何度も聴きたい」となる特性がありますが、本や情報は、漫画や名作、バイブル的な書籍などの一部を除き、「何度も同じ内容を読みたい、聴きたい、見たいになりにくい」という点で違いはありそうです。しかし、情報的なコンテンツであっても、落語的視点で何回も読みたい・聴きたいと思えるような内容を制作・発信できるにはどうしたらいいか、とも思いました。ここはコンテンツの見せ方・作り方という点で、大きな発想の転換が必要そうです。

また、海外の動向として、「音声活用」が広範に渡り、行われるようになっているという点から見ると、日本でも、「ながら読書(オーディオブック)」「ながら見(テレビや動画)」「ながら聴き(ラジオや音楽、セミナー、動画の音声)」というものが少しずつ出始めています。
これは、音楽業界だけでなく、出版業界としても、”音声コンテンツ”のさらなる可能性を捉え、これまで以上に、積極的に導入することを視野に入れて考えていくといいのではないかと思っています。

(まとめ)

日々、忙しい(と言われる)人の生活の中で、耳というチャンネルにはまだ忙しくない時間があるのではないか?という仮説のもと、音で届けるメッセージ、プロモーションなどを考えていきたいと思います。

現在、エッセンシャル出版社では、
■ミライ会議の音声収録配信(Himalaya、Spotify、Apple Podcast)
■ミライ会議の記事化(本記事のようなnote)
■Instagramのリール・TikTokでの15秒書籍紹介
■書籍紹介記事を音読して字幕をつけて配信

など、様々なツールで書籍情報や有益なコンテンツをお届けすることに挑戦しています。


想いを込めて作った書籍を応援してもらうことに繋がり、大変嬉しく思います。 また本が売れなくなっているというこの時代に、少しでも皆様にお伝えしたいという気持ちの糧になります。