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mother’s history No.33 海水浴は、やっぱり楽しい。

勉強できないのも、歯が痛むのも、
楽しい遊びがあれば忘れることができる。
それでいいのではないか。
と、囁きかけているようだ。
幼少のころの、何気ない遊びに浸ってられるのは、
もう、後で取り返しのできない経験だったのに違いない。
う~んと遊んで、いいんだよ。
日焼けの、痛みは一生忘れないし、
今は、心地よいと思えるよね。

7月24日

いよいよ、待ちに待った海からのたよりがあった。

伸ちゃんから電話で、お金は600円以下、簡単な遊び道具と、

おべんとうを持って、6時43分の電車で織田の方へ行くのである。

早く行って、おそく変える予定である。

7月27日(月)が待ち遠しい。それまで、うんと勉強しとかなければ。

今日も、歯医者に行った。それに、その帰りにでやのオババのぐちを聞いていたりしたら半日終わってしまい、今日もあまりよい日ではなかった。

明日は地学の大陽の曲線をみよう。そして、明日とあさってはガリ勉の日ときめた。

歯医者も、来週の火曜の五、六時まで行かなくてもよい。

よし、明日と明後日はガリ勉の日だ!!

 

7月25日

今日も、全然勉強しなくて、ボッサリコンと一日終わってしまった。

こんな事では、いけないと思いながら勉強しだすと、何か空想に入ってしまう。

お手伝いたけは、たくさんした。

午前中は、お茶を作る手伝い。

午後は、ケントクでえんをふいて、洗濯をした。

ああ、今日も何もしないで一日終わったか。

イチジクの、缶詰はあまりおいくなかつた。

 

7月26日

また、今日一日何をしたともなく過ごしてしまった。

午後、らっきょうの始末をしていたら、つとむさんが来て、「間所って、あいつ電話いくらかけても通じんさけ、おいに夕方でも電話してっけって、電話してきたぞ」と、言った。

しばらくしたたら、伸ちゃんから電話がかかってきた。たいした重要な話でもなかったが、「あした、何持って行くの」だった。

 

7月27日

朝、六時四十三分の電車で海水浴に行った。バスはわりとすいていて楽に座れた。行ったらすぐ水着に着がえ、海に入った。

波が静かで、水は青々としていて、とっても気持ちがよかった。

おにぎり三つでは、およばないほどお腹もすいた。

友達と、ボールでバレーをしたり、海藻を取ったり、とっても楽しかった。

帰りも、座れた。私達みんな、真っ赤な顔していた。

使ったお金は、電車賃二百円、休憩所七十円、氷イチゴ三十円、金時五十円、アイスクリーム二十円で、合計三百七十円であつた。

伸ちゃんは、アルバイトをやっていると言う。

私は、泳いでいるとすぐ辛くなってしまう。辛くならない方法は何かないかな。

でも、少しだけ泳げる。

 

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