恋愛を諦めた男の失恋エッセイ

24歳会社員、金曜夜に更新(不定期)

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最近の記事

クリぼっちを確実に回避できる方法

 昨年のクリスマスが近づく頃に、マッチングアプリをインストールした。20人からハートが来たので、一人ひとりに丁寧に返信したものの全員無視。12月25日の夜、人恋しくなった僕はガールズバーへ向かった。道中、何組ものカップルとすれ違い、嫉妬心をこらえながら何とかお店に到着。サンタクロースに扮した店員が温かく出迎えてくれた。開店直後で他の客がいなかったので、その女性と2人きりの空間になっていた。 こうして見事「クリぼっち」の回避に成功したのである。  僕が「出会いの場がない」こと

    • ハグ不足の独身男、160cmの抱き枕を強く抱きしめてハウスダストに襲われる

       一人暮らしをしていると、ハグの機会がない。ある夜、僕はハグを欲するあまり、Amazonで「抱き枕 160cm」と検索し、即購入していた。「160cm」というのは勿論、成人の身長を鑑みてのもの。人間のフォルムの商品に手を出さなかっただけ褒めてもらいたい。自宅に届き、膨らませると成人のサイズになった。人恋しさを紛らわせるべくダイブ。しかし、その枕に人間的な温もりは一切なかった。しかも、ホコリに弱い僕はその枕との相性が悪かったようで、何度も咳が出てしまった。4000円の抱き枕はた

      • 芳根京子お話し会で独身男が起こした悲劇

         一人暮らし。休日はどこかへ出かけない限り、誰にも出会わずに一日が終わる。だからといって思いきって街に出ても、幸せそうなカップルが何十組、何百組と視界に入ってくる。そのたびに自分に自信をなくす。自信のない男は異性にとって魅力ゼロなので、僕の独身期間は当然どんどん延びていく。独り身が生み出すトキメキに乏しい暮らしを改善したかったので、芳根京子さんのお話し会に申し込んだ。  お話し会当日、午前中は家で過ごし、電車に乗って15時に会場入り。受付でQRコードによるチェックイン。やが

        • 僕のマッチング用プロフィールを女友達がスクショして勝手に拡散していた

           高校の同窓会で一人の女友達と久々に話したところ、彼女は衝撃の懺悔を語った。 「マッチングアプリでたまたまプロフィールを見つけちゃって、それをスクショして○○(共通の知り合い)とかに送っちゃったんだよね。ごめん」。  マッチングアプリ利用者にとって、プロフィール画面は恥のかたまり。なにせ自分で一番写りが良いと思った写真に、自分の良さを必死の思いでアピールする自己紹介文が添えられているのだから。何人に送ったのかは不明だが、今なお数名の知り合いはその画像を保有しているようだ。同

        クリぼっちを確実に回避できる方法

          好きじゃない人と付き合った男の末路

           昨年マッチングした女性とは趣味が一緒だった。それは、野球観戦。球場デートでは、2人で応援していた球団が勝利し、視界の左端から両手が伸びてきた。応援チームが勝って歓喜のハイタッチ。野球観戦デートの醍醐味だろう。喜んでこちらも両手を伸ばすと、その手の主は彼女の左横にいたおっさん。その人はビールを飲みまくったせいで全身の力が抜けていて、指と指が開いた状態かつ僕に体を預けるような体勢で来た。よって絡み合うお互いの指。人生初の恋人繋ぎの相手はそのおっさんとなった。彼女は危険を感じたの

          好きじゃない人と付き合った男の末路

          負けマッチングアプリ

           学生時代のある日、マッチングアプリで知り合った女性とカフェで会うことになった。その人の趣味が「カフェ巡り」だったので、通なお店を期待していた。しかし、案内のもと着いたのは、あの『サンマルクカフェ』だった。全国的な味・チョコクロを食べながら彼女の話を聞いていたが、どうも言葉の端々が胡散臭い。 「複数の会社を持っている経営者の方のお話を聞いたら、自分に自信がつくようになって・・・」。 得体のしれないスクールの勧誘だったのだ。全国チェーンのカフェで済ませても問題ないようなチョロい

          負け合コン

           大学生の頃、合コンに参加した。学生限定の街コンで、会場は新宿と横浜の2ヶ所から選べた。当時の僕は八王子市民。都庁のある新宿までは電車で40分。つまり、八王子は東京都内だが『TOKYO』ではないのだ。僕は、TOKYO在住ハイスペック男の新宿襲来を恐れ、横浜会場を選択。電車で1時間かけて横浜まで向かった。  蓋を開けてみると、女性は全員友達連れ。しかも、女性の参加料はたった500円(男性は5000円)だったので士気がものすごく低かった。さらに、僕の横に座ったのは身長185㎝で

          サークルの冷遇とバイト先の厚遇

           僕は大学生の頃、雑誌サークルに所属していた。部室で新入生の女性と話していると、最寄り駅が同じだと判明。その流れで、駅周辺のどのエリアなのかを尋ねたところ、その人は「いや、ちょっと・・・」と口ごもった。ローカルトークで盛り上がりたいという一心だったのだが、「コイツに家の場所をバラしたくない」と思われてしまった。  旅行サークルにも所属していた。そこで知り合った女性AからLINEが届いた。「プライベートで飲みに行きたいです」。蓋を開けてみると、Aの女友達Bと男2人(C、D)が

          サークルの冷遇とバイト先の厚遇

          高3の失恋

           「世の中に存在するカップル、夫婦の数が多すぎる」。小学生の頃から不思議に思っていたことだ。例えばAがBを好きになる。この現象は理解できる。だが、同時期にBもAを好きになる。そんな都合の良い両想いの発生は、かなり低い確率に思えるのだ。Aが、Bの気を引かせるべく全力でアピールする場合も多いと聞く。僕も頑張ったが、アピールに惹かれる人はゼロ。ゾッと引かれるばかりだった。23年の人生で僕に想いを寄せてくれたのは1人しかいない。  華々しい恋愛とは無縁の男に転機が訪れたのは高3の4