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『商店建築』MAY 1989 VOL.34 NO.5

ご覧いただきありがとうございます。
今日は、想い出の場所イーティアムと再会させてくれた雑誌をご紹介します。
表紙を開くと、好景気を物語る広告の多さと勢いのあるキャッチコピーに圧倒!幼少期をバブルと、青春時代を不景気とともに過ごした私としてはズキズキワクワクする内容でした。あの頃に帰れるステキな雑誌です。



『商店建築』1989年5月の号で組まれた特集と特別企画。大好きなイーティアムは「融合化するカフェ&レストランの業態」に登場。

特集/融合化するカフェ&レストランの業態 エ
レメント特集/水のインテリア 特別企画/ショー
パブの世界

引用:『商店建築』MAY 1989 VOL.34 NO.5


イーティアムを創った方々。素晴らしい時間と体験をありがとうございました。

食のコミュニケーション・ミュージアムを目指した
郊外型複合レストラン
イーティアム

東京多摩市南野1丁目2-5

Restaurant Complex EATIUM
Minamino Tama-shi Tokyo
DESIGN:TAKAO HABUKA
企画 フォルザインターナショナル グランデコーポレーション
   栴工房一級建築事務所 羽深隆雄
総合プロデュース・基本設計 羽深隆雄
設計 意匠 柳建築設計事務所 河合篤司 川崎泰彦
   構造 織本匠構造設計研究所
   設備 蒼設備設計 中村正弘 今井 徹 工藤良一
   内装 グランデコーポレーション
      ヨコタデザインワークスタジオ 冨田哲男 小柴順二
      ヨコタデザインプロダクツ 中曽雄二
施工 建築 フジタ工業 内装 綜合デザイン アートリキ
協力 空調 ダイダン 電気 近畿電気工業
   厨房 谷口工業 照明器具 大光電機
   音響 ナニワ楽器 サイン 近代クリエイト
フレスコ画 スタジオジオット 御任弘彦 彫刻 西野和宏
プラネタリウム(スターライトドーム)アンドリュースマーチ
                  ャンダイズ
ブラックライト コーリン

引用:『商店建築』MAY 1989 VOL.34 NO.5


プラネタリウムみたいなバーは、「スペキュラ」という名前だと判明。

スペキュラ(スターライト ドーム)
このスターライトドームは,天文データより計算し,1950年7月7日午前0時30分,東経81°,北緯26°マイアミの夜空の星々を約4500本の光ファイバーで再現したもの。
七夕の日を選んだので東側に天の川(ファイバー約1,500本)が浮かび,満天の星空をより美しい物として見せている。流れ星は10パターンあり、ランダムに時折ながれてゆく。
また,各星は等級ごとに明るさを変えてあり,4等級までは,その星の持つ固有の色に着色され,大気のゆらめきによる瞬きを再現している。
スターライトドームは,今はもうなかなか見ることができなくなった満天の星空を,限られた条件の中であくまでも本物の星空に近づけるようにしてある。
また,床はトップライトのピラミッド形を平面に映し出したもの。上部のドームと対応して,宇宙における時間の観念をデザインした。時の移り変わりを中世のカレンダーとそこに関わる蠍座,射手座,やぎ座などで表現している。中央の星は,惑星のシンボリックなものの象徴として配している。

引用:『商店建築』MAY 1989 VOL.34 NO.5


マイアミの七夕の夜空を再現していたなんて!プラネタリウムに行くとどこか物足りないと感じるのは、スペキュラの星空が美しかったからだろう。ここで告白したり、プロポーズした人もいたかもしれない。


ほとんど覚えていないけれど、カフェとレストラン、プラネタリウムみたいなバー以外にも、チケットぴあ、フラワーショップ、デリ、ちょっとしたファッション雑貨まである。結局、イーティアムとは何だったのだろう?


食のコミュニケーション・ミュージアムを目指す
多摩市は,ニュータウン構想の一環として,文化事業に力を注いでいる。「このような地域に,どのような業態がふさわしいか」(岡本氏)という点から,この「イーティアム」の計画は進められた。そのコンセプトは,店名の「イーティアム」に集約されている。
つまり,❝飽食❞の時代となった現代,食生活をよりアトラクティブ(魅力的)に演出するために,食を中心とした生活全般をエンジョイできる,新しい食文化の発信地(プラスくつろぎの場)となる<場>の創造である。
具体的には,目的としてのEAT(食),場としてのMUSEUM(博物館,美術館)の複合化した新しい食空間のイメージを,EATとMUSEUMの言葉を合わせて「イーティアム」のショップ・アイデンティティの表現となっている。

引用:『商店建築』MAY 1989 VOL.34 NO.5


EATとMUSEUMでイーティアムだったのか。ステキな名前とコンセプト。たしかに博物館や美術館の雰囲気があった。食生活をアトラクティブに演出することを目指すイーティアムではどんな料理を食べられたのだろう。


■営業内容
開店:1989年1月15日
営業時間:午前10時~午後11時
定休日:なし 電話:(0423)72-XXXX
経営者:㈱レストラン狭山
従業員:サービス8人 厨房10人
  パート・アルバイト 常時50人 計68人
客席数:198席
客単価:1600円
客回転数:3.5回
主なメニューと単価:コーヒー350 ジュース550
チーズケーキ430 プレーンヨーグルト350
ハウスワイン/グラス450 1/2ボトル1200
ビール(中)550 マティーニ600 カクテル700
ケイジャンチキンセット1200 イカの墨煮700
北京ダックのレタス包み850 白身魚のフライ1200
サーロインステーキ3000 チキンカレー850

引用:『商店建築』MAY 1989 VOL.34 NO.5

なかなかリーズナブルに感じるけれど、当時としてはどうだったのだろう?高い?安い?どれもおいしそうだ。私はバニラアイスの味しか覚えていない。行けるものなら、ご飯を食べに行きたい。


この雑誌には他にも、「UCCクレイトンハウス ピラルクカフェ」(横浜)や「バー ツル」(西麻布)などおしゃれでおもしろそうなお店がたくさん載っている。今ではもうなくなってしまった思い出のお店に、あなたも会えるかもしれない。




最後までお読みいただきありがとうございます。
インターネットもスマホもない時代の思い出のお店。イーティアムとの再会はほぼ不可能だと思っていました。30年以上の時を超え、こうして詳細を知ることができ感無量です。『商店建築』編集部の方、大切に保管しお譲りくださった方のおかげです。本当にありがとうございました。


当時の想い出はこちら↓


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