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大学の授業形態と報道

 2020年は大学における授業形態に大きな変化があった一年でした。前期は遠隔授業を行う大学が大半であったと思います。その準備のために当初の予定どおりに前期が始まった大学と、開始時期がずれ込んだ大学に分かれました。

 後期も原則として遠隔授業を行うとする大学が大半であったと思います。その賛否が分かれる中、徐々に対面授業を行う大学も散見されました。私もその渦中にあり、関連する記事を書きました。

 さて、気になるのは来年度です。

 今年のように学期の開始日がずれ込むことはないでしょう。ただし、授業形態は大学ごとにかなり異なってくると考えられます。具体的には大学間で

「徹底的に対面授業を行う大学」と「原則として遠隔授業を行う大学」

の二極化が起こると思います。非常勤などで複数の大学で講義を担当される先生にとっては大変ですが、この二極化に期待していることがあります。

 今年は遠隔授業の問題点を指摘する報道をよく見かけました。それらは往々にして「大学」という非常に大きな主語で主張を展開するものでした。「なるほど」と思う記事もあれば、首を傾げたくなる記事も多々ありました(特に多くの大学で図書館などの学内の施設を開放している最中に「大学はいつまで閉鎖するのか」とする論考など)。

 来年も引き続き大学での授業の在り方を問う報道はなされると思います。そのとき、個々の大学で採用する授業形態が異なれば、報道内容の主語は自然と適度な大きさになるでしょう。個別の大学が置かれた環境を十分に考慮した主張ならば、建設的な議論に繋がると期待できます。

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