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『In Bruges』 と 『A Man Called Otto』

最近観た映画。

どちらも先日書いたドラマ『Peaky Blinders』のような強烈な余韻を残すものではなかったので、さらっと記録。と言うか、『Peaky・・・』の後はなかなかそれを凌ぐようなものには出会わない気がする。(単に私がダークもの、英国もの、が好き過ぎるだけ)



Colin Farrell と Brendan Gleesonのコンビは最近も『The Banshees of Inisherin』が発表されたけれど、まだ観ていない。『In Bruges』はもっと前の2008年の作品。

英国人の二人の殺し屋が、ある仕事の熱りが冷めるまでベルギーのブルージュにて身を隠さなければならなくなった。二人の間の友情と、ベルギーで出会う人達との人間模様と、きちんと落とし前を付けるという闇の仕事の性と・・・。

なんだか変な終わり方だったし、チープな感じも否めないのだけれど、その奇妙さが好きな人もいるのだろうな、と思った。コリン・ファレルが若くてちょっと危なっかしい。



『A Man Called Otto』『オットーという男』

これは、トム・ハンクスが主役でなかったらB級に入ったかもという感じの作品。(辛口でスマン)

ハンクス氏と妻のリタ・ウィルソンもプロデューサーに名を連ねている。若き日のOtto役は、トム・ハンクスの息子のTrumanが演じている。最愛の妻を亡くして、自身も命を絶とうとするが、ことごとく邪魔が入る。隣人たちの暖かさによって、真面目で本当は心の優しいオットーの冷めきった心がだんだんとほぐされていく。

誰にも相談せず、自分で何でも解決してしまおうと無理をしたり他人を遮断したりするところを、隣人のマリソルに指摘されるシーン。人に甘えることが下手なタイプにとっては耳が痛い。予告編の邦訳ではちょっとニュアンスが違う気がしたけれど、「誰も全く他人に頼らず生きることなどできない」のだ。ある意味心温まるストーリーだけれど、私は別の面で考えてしまった。



Peaky・・・のTommy Shelbyもそうだし、人とつるむのが面倒で、一人で何でもやってしまおうとするタイプは、そんな性格を変えるべきなのだろうか。「はい、ではこれからは人に全てをさらけ出して甘えます」と簡単に言えるものではない。「これが俺なんだ」とTommyも言っていた。

「This is who I am. これが私。」でいいのでは?それも個性なのだから。人に甘えることが下手なのは、時として損なのかも知れないけれど、不器用で歪なのが人間、だと思う。皆が皆、甘え上手になったら世界はキモい(笑)。






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