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Nine Perfect Strangers / ナイン・パーフェクト・ストレンジャー

アマゾンプライムの昨夏の作品、『ナイン・パーフェクト・ストレンジャー』を観た。ジャンルはサイコミステリーと言ったらいいのだろうか。

高級リゾートに予約して行ったはずの9人が、実は経営者の思惑により選ばれた9人であり、想像とは違った形での「癒し」経験をすることになる。


ニコール・キッドマンがロシア人セラピスト役で(プロデュースもしている)善悪白黒つけられない人間の光と闇をクールビューティーの仮面の下に持っていて(誰しもが持っているのだが)、適役だったと思う。面白かった。

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ルーク・エヴァンスはゲイのラース役。自身の生い立ちとオーバーラップしているところが、演技をさらに際立たせていた。個人的にはホビット3部作のBard役が大好きだ。愛情と悲しみを表現する目力が素晴らしかった。

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このほか、メリッサ―・マッカーシーやマイケル・シャノンら名優が揃っていて、どの参加者もそれぞれに負っている傷やトラウマを表現する演技が炸裂していた。

ちなみに、SNSインフルエンサーのジェシカ役のサマラ・ウィ―ヴィングは、

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マトリックスのエージェント・スミス役やホビットのエルロンド卿役を演じた名優、ヒューゴ・ウィ―ヴィングの姪っ子である。

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誰もが現代の生き辛さに気付いていて、まさに今の時代にマッチしたストーリーセッティングだった。外の価値観と自分の内側からの声とのギャップをどう埋めていくのか、愛する者を失ったり、失恋したり、積み上げてきたキャリアが壊れてしまったり、傷をどう癒していいのか分からず苦しみ続けることは本当に誰でも経験することだ。

人間はなんと歪で不器用な生き物であることか。

薬物や「キノコ」などでハイになることで、永続的な癒しに繋がるのかは疑問ではあるけれども、それによって過去の傷と決別でき、過去を受け入れつつも前進できるようになるのなら、やはりロシア人経営者のマーシャは、人を助けることをしていたのだろうと思う。

久々にスムージーが作りたくなった。

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