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角野隼斗さん 韓国初リサイタルの感想と韓国ファンのリアクション (Hayato Cateen Sumino's 1st recital in Korea)

2022年は角野隼斗ファンにとって記念すべき年

2022年は、角野隼斗ファンにとっては、ずっと忘れられない年になりそう。なぜなら、角野さんが、世界に本格的に羽ばたいた年、世界のあちこちで初めてのリサイタルを次々と成功させていくのを見れた年となったから。

2020年に角野さんを発見し、2021年にショパン国際コンクールでの挑戦に魅了され、2022年には、角野隼斗さんの音楽が好きと周りに公表するようになったひよっこ角野隼斗さんファンの一人の私ですが、クラシックはほぼ素人で、恐れ多くて今まで角野さんのライブレポを書いたことがなかった。

10月のシンガポールデビュー公演に行かせて頂いて、記念すべき初「生」角野隼斗さん、を経験できた私だけど、少しだけTwitterに感想らしきものを書かせて頂いたのみで、結局きちんとしたレポートはかけていないのが少し心残りだった。

なので、韓国の感想はフレッシュなうちに書くことに

シンガポールの素敵な想い出をフルレポートにすることはタイミングを外してしまったけど、韓国の初リサイタルの感想はフレッシュなうちに書きたくなって、今もう寝るべき時間なのに気持ちが高揚して書き出してしまった。(明日の寝不足へのパーフェクトな道筋 笑)

SNSを見ると今日の公演に現地参加できた日本人の方、少なめのようなので、「見たかったな」と思われていた方のために、配信で参加させてもらった限りの感想だけど、クラシックのことはわからないなりに書こうと思う。音楽的に言葉の選び方が間違っていたら、ビギナーだと思ってお許しを。ご指摘いただけたら嬉しいです。

素敵なホール、アートセンターインチョン(Arts Center Incheon)

初の韓国公演のステージがここって素敵ですね、すごくないですか?オシャレで洗練されたステージ。ちょうど一周年を迎える新しいホールみたいで、世界から沢山の才能あるアーティストを迎えられるように、将来的には大規模なオペラハウスを併設する予定もあるとか。かてぃんさんのドキドキ、ちょっと伝わってくる。


角野隼斗フルコースな演目ーセットリスト

なんか、演目が凄いんですけど!ファン歴がそんなに長くない私でも明らかに分かる。角野さんの代表曲、クラシック、ジャズ、オリジナル曲、これでもかとフルコースでならんでいるよ。韓国のファンの方で生かてぃんさんを初めて体験する方が泣いて喜びそうなプログラム。

Chopin: Scherzo No.1 in B minor, Op.20
Chopin: Nocturne Op.48 No.1 in C minor
Chopin: Etude Op.10 No.1 in C major
Chopin: Ballade No.2 in F major, Op.38
Chopin: Waltz No.1 in E-flat major, Op.18
Chopin: Polonaise No.6 in A-flat major, Op.53
Gershwin: I got rhythm (Arr. Hayato Sumino)
Kapustin: 8 Concert Etudes Op.40 No.1,2,3
H.Sumino: Big Cat Waltz
Hayato Sumino: New Birth
Hayato Sumino: Recollection
Anderson: Sleigh Ride (Arr. Hayato Sumino)
Gershwin: Rhapsody in Blue (Arr. Hayato Sumino)

コンサートに来られる方は、きっと、元々ファンの方で、初の韓国公演を心待ちにしていた方が多いのだとは思うけど、でも最近の韓国のTOWMOOのYouTubeで話題になって興味が出て参加されたご新規さんも絶対いらっしゃるはず。沼落ち確定プログラムとはこのこと(笑) 楽しみね。

最初から聴衆をノックアウトChopinフルコースの前半

前半はChopinフルコース、一曲目の、Chopin: Scherzo No.1 in B minor, Op.20 きっと最初の一曲、いや最初の一音で決めようと心が決まっていたような、迫力のある演奏。息をのんで見守る。一旦ステージ裏へ、2分間表に出て来なかったかてぃんさん。最初から全力投球したような演奏だった。再登場後、精神集中後、そっと左手を鍵盤に沿わせ、 Nocturne Op.48 No.1を弾き始める。かてぃんさんの弱音の美しさ、情感溢れる展開のとても丁寧な演奏。間髪入れずに、Etude Op.10 No.1 in C major、が始まる。角野さんのスキルの高さを感じる美しいアルペッジョ。Ballade No.2 「静」と「動」の対比が美しい、今日のBallade 2はすごくキレがあったように感じた。弾き終わった後、しばらく動かなかったかてぃんさん。拍手とともに舞台裏に下がり、再度、登場すると Waltz No.1、そして Polonaise と一気に魅せる。前半、かてぃんさん、笑顔はほぼ無し。ベストのパフォーマンスで弾き切ることに集中されているような印象だった。

ジャズ味と遊び心満載の後半

Gershwin: I got rhythm (Arr. Hayato Sumino)
沢山の素晴らしいピアニストがいらっしゃる中、私は、角野隼斗さんのクラシックという枠に収まりきれない多様な音楽性に惹かれて、「この人は他の人とは違う」とファンになったタイプ。

だから、角野さんのガーシュインが聴けるときは、毎回幸せを噛み締めて聴いている。ガーシュイン=角野隼斗の真骨頂。毎回アレンジを少しずつ変えてこられていて、聴く度に発見がある。

もう一曲ガーシュインが聴きたい!と思っていると、そのままKapustinへ。カプースチンって、実は、角野さんを聴きだしてからちゃんと認識した。他の方の演奏も聴いてみた。皆さんそれぞれの解釈が素晴らしかったいんですが、カプースチンをこんなに格好良く弾けるのは角野さんしかいないのではと思うくらい、ハマっている。カプースチンのクラシックとジャズを融合した世界観を見事に独自の解釈で昇華したような演奏、毎回進化しているような気がする。

一旦舞台裏に下がって、再度登場された後は、「作曲家、角野隼斗」のパート。
H.Sumino: Big Cat Waltz 本当に素敵なワルツですよね。この曲を弾くときの角野さんは本当に楽しそうで好き、ここで少し笑顔で一旦舞台裏へ、ほどなく再登場。

両手を両ひざに乗せ、精神集中した後で、猫がピアノに飛び乗る様な勢いで左手がさっと伸び、弾き出した Recollection「追憶」。曲順が最初に発表されていたのと変わって、「追憶」を先に演奏。さざ波のように静かに押し寄せてきて、後半どんどん高揚感が増していく展開が素晴らしい。最後はまた限りなく静かに終わる感動的な演奏。

追憶の最後の一音の余韻に浸っていると、間髪入れずNew Birth「胎動」が始まる。痺れる。完璧なフロー。「曲順を変えたね、いいね」というチャットのコメントもあった。華やかさがあって雄大な曲だなぁと思う。

「胎動」は角野さんがインスピレーションを受けた曲ってあるのかな?調べてみたら、この曲は、ショパンのエチュードOp10-1からインスパイアされて作曲されたんですね。なるほど、言われると超広域アルペッジョはまさにエチュードOp10-1のそれだった。力強いクライマックスは泣きそうな美しさ。大きな拍手を背に、一旦舞台裏へ。

再度拍手に迎えられて、Anderson: Sleigh Ride (そりすべり)から終盤へ向かう、ホリデー感一杯で、最初から身体が揺れる。アレンジの美しいこと、もう角野さんの即興演奏の魔法にかかり、すっかりJazzyになってしまったSleigh Ride。タッチが美しすぎて耳が至福。

思いっきり会場がジャズっぽくなったところで、拍手、立ち上がって、一礼、そして、すぐに Gershwin の Rhapsody in Blue へ。角野さんアレンジのガーシュインで締める演目、素敵だなぁ。何度聞いても聞き惚れる。

角野さんは、ジャズを弾いている時と、クラシックを弾いている時と、身体の動きが違う。リズムが違うから当然そうなんだけど、でも、人格までも違うんじゃないかと一瞬思ってしまうくらい。今回もアレンジや弾き方がかなり違っていたような気がした。

語彙力と知識がなくて、なんて表現したらいいのか分からないけど、何度も演奏されているのに、こんなに表情を変えて、会場全体が角野さんから一瞬たりとも目が離せないような演奏をする彼は、凄いと思った、動画で上げて下さっているのとちゃんと比較して研究しよう。(勝手に、エスプレッソの宿題にします、こういうことを音楽的に的確に表現できる方に憧れるのよ 笑)

なんか、凄かった、圧巻だった。鍵盤から指が離れた瞬間、会場から割れるような拍手とブラボーの声、ここは人気POPバンドのコンサート会場ですか?ぐらいの割れるような歓声。今夜は「新・角野隼斗」って感じだった。もちろん、角野さんは既に凄かったんだけど、今年は世界中で演奏を続けるうちに、一枚脱皮されたというか、演奏のレベルが次のステージに進まれたんだなって感じた。

大喝采と果てしなく続く?アンコール

大喝采の中、再登場したかてぃんさんに、また割れるような拍手と喝采、深く一礼し、バックサイドの聴衆にもお辞儀をして再度舞台裏へ、拍手鳴りやまず、2度目の登場。

かてぃんさんが韓国語で流暢にご挨拶、「私は角野隼斗です、ありがとうございます」しか聞き取れなかったけど、他にも結構長く話されていて、聴衆は大喜び。自国の言葉で話しかけてもらえるって特別な喜びがあるよね、嬉しかっただろうな。英語で「子犬のワルツを僕のアレンジで弾きますね。楽しんでくれたら嬉しいな」とスピーチして(英語も毎回どんどんお上手になるかてぃんさん)、子犬を弾く。弾き終わって大喝采、また舞台裏へ。

鳴りやまない拍手。見ている側も嬉しくなるくらい、聴衆が歓喜している。3度目のご登場。アンコール2曲目は木枯らし、しっかり弾き切って、再度大喝采、うぉ~っという喜びの声が画面越しに伝わってくる。舞台裏に下がった角野さん、拍手に応えて4度目のご登場、深く2回お辞儀をして去る。 

それでも鳴りやまない拍手に、5度めのご登場。アンコール3曲目、きゃ~という声も聴こえたような気がした、きらきら星変奏曲を弾きだした時に、笑い声が会場からあがる。なじみのある童謡だからなのか、それともあまりかてぃんさんのことを知らない聴衆の方が、きらきら星変奏曲が、かてぃんさんのアンコールの定番だと知らない人もいるのかな?という感じのリアクションだった。

だけど、演奏が進むうちにどんどん引き込まれる聴衆。今日のきらきら星も素晴らしかった。ライブチャットも大興奮「あなたが輝ける星です」と叫んでいる人がいた。終わった時の会場の大喝采で、みんな大満足だったんだなと確信した。6回目のご登場。何度も何度も前後の聴衆に深いお辞儀をして、去って行かれたかてぃんさん。画面越しに、本当に興奮してしまった。

最後に、韓国の聴衆の方の感想をシェア

最後に、配信のライブチャットで大興奮していた韓国の聴衆の方の嬉しいコメントをシェア。
「魔法みたい。時間があっという間に過ぎていく」
「退屈になる暇がない」
「日本のコンサートはチケットが取れなくて行けなかったので、オンラインで見ることができてとても嬉しい」
「知ってたら韓国のチケット早く予約すればよかった」
「楽譜が欲しい」
「アレンジが本当に上手い」
「台風みたい」
「感動的、本当に素晴らしい」
「息をのむ」
「集中していたのでコーヒーカップに手を伸ばすのを忘れてた」
「タッチが芸術的」
「繊細で強烈」
「音より早い手」
「光の速度で演奏」
「もう一度聴きたい」
「現場にいたらすぐ立ち上がってスタンディングオベーションしたと思う」「今日はSumin-nim(スミンさん)に家に帰らないでほしい(笑)」
「癒される」
「キュート」
「漫画のキャラクターみたい」
「次回は日本にコンサートに行く覚悟をする」
「誰かとのコラボも見たいな」
「韓国でもこんな人材を探してもっと聴かなくっちゃ」
「胎動に涙を流して恋に落ちた」
「大猫は猫への愛に満ちている」
「一日の疲れが癒される」
「ブラボー!」

ね? すごいですね? 本当に観客を興奮させるパフォーマンスだった。

かてぃんさんの韓国デビューが大成功だったこと、本当に嬉しく思う。おめでとうございます。素敵な演奏をいつもありがとうございます。今日はこの瞬間を目撃できて幸せでした。
また、角野隼斗さんのコンサートにいつか参加できますように。
角野隼斗さんの韓国での残りの2公演が、素晴らしいものになりますように。
残りの韓国公演に参加されるファンの方、皆さん楽しまれますように。

最後に一言シャウトさせてください。

かてぃんさん、「クラシックがこんなにエキサイティングなものだったんだ」と、クラシックの魅力に気づかせてくださって本当にありがとう!

読んで下さった方、ありがとうございました。










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