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【1億3000万人のためのeスポーツ入門】レビュー


eスポーツに関わる人だけではなく
eスポーツに関わらない人にも読んで欲しい本!


この本では、現在eスポーツの職に携わっている7人の執筆者がそれぞれの観点から昨今話題になっている『eスポーツ』について書かれている本です。

chapter1では「何故今eスポーツなのか?」というテーマでこの本の編著である但木一真さんが語ってくれます。

世界のeスポーツシーンから日本のeスポーツシーン。そして、ユーザーが求めていることがeスポーツにおいて大事であるという事も含めてeスポーツとは何かについて初心者でも分かりやすく、この本の土台でもある知識が学べます。

chapter2では「eスポーツ今昔物語」というテーマで、eスポーツメディアを運営する謎部えむさんが2018年までのeスポーツシーンを振り返ります。

2018年がeスポーツ業界にとって如何に重要な年となったのか。またeスポーツは今までのゲーム大会とは何が違うのかについて「主催者」「目的」「大会形式」「参加者」「お金の流れ」といった項目から分かりやすく解説されています。

chapter3では「eスポーツプレイヤーとは誰か?」というテーマで、プロゲーマーであるliveさんがプロゲーマーについての実態を書いています。

ここではプロゲーマーの思いや苦悩が赤裸々に書かれています。そしてchapterの最後にはliveさん自身の「eスポーツプレイヤーとは」という答えが書いてあります。

chapter4では「eスポーツチームを経営するということ」というテーマで、西谷麗さんが自らの運営しているチームで実践していることが書かれています。

この章ではeスポーツにとどまらないチーム運営経営のやり方が余すところなく書かれています。eスポーツという未だ確立した基盤がない環境にも関わらずチームの運営・経営の手法はこのchapterだけにとどまらず1冊の本で読みたいほどの重要な情報です。

chapter5では「TVとeスポーツ」というテーマで、佐々木まりなさんがTV業界とeスポーツの関係を書いています。

実際にeスポーツのテレビ番組を制作している著者が、テレビが何故eスポーツに注目するのかという話から実際の番組作りの話、今後のテレビとeスポーツについての未来の話など、今後のテレビとeスポーツのメディアの関係性が書かれています。

chapter6では「法がeスポーツを加速する」というテーマで、弁護士である高木智宏さん・松本祐輝さんがeスポーツシーンにおける法律を分かりやすく書いています。

eスポーツにおける課題である法律。ゲームの著作権と許諾の話、eスポーツイベントにおける景品表示法、eスポーツ選手の契約の話などeスポーツにおける法律のあれこれが分かりやすく書かれています。

本書の終わりでは「eスポーツをブームで終わらせないために」というテーマで、但木一真さん・荒木稜介さん・松本祐輝さん・小澤脩人さんが座談会という方式で語ってくれます。

「eスポーツへ参入するには」という話から「コミュニティがeスポーツを支える」という話など、本書のまとめであり語られなかった所までカバーするように語られます。

私が個人的に印象深かった言葉は、コミュニティの話でeスポーツ部についての問題で、eスポーツとして競技を真剣にやるか遊びとしてやるかの線引きは重要な上で、eスポーツ部というコミュニティに属することでひとりぼっちにならない事が重要な価値でもあると述べていた点です。eスポーツという言葉の下で、何かしら人と人との関係が生まれたらいい。と。

私的にも、この「人と人との繋がり」がeスポーツについての一番の価値かなと思います。


以上。
【1億3000万人のためのeスポーツ入門】を読んでのレビューでした。





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